年頭訓示 カーボンブラック協会会長  工藤能成

2014年01月16日

ゴムタイムス社

 新年あけましておめでとうございます。
 平成26年の新しい年を迎え、本日ご参会の皆様に、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 顧みますと昨年の日本経済は、アベノミクスによる各種政策効果等を背景に円高・株安が是正され、また震災復興や2020年東京五輪開催決定など日本経済の回復に向け、明るさが見えてきた1年だったと思います。
 また、海外では、中国、東南アジアで高成長に一服感が出てきているものの、アメリカは緩やかな回復が続き、欧州では債務危機問題の底打ち感があります。
 このような経済状況の中、昨年の国内自動車生産は、秋以降、円安による輸出回復や新車投入効果などで回復してきたものの、夏場までの落ち込みで、年間では前年比3%減の約960万台と予想されます。これにより、2009年以降、5年連続の1千万台割れとなります。
 一方、カーボンブラックの主要な用途先である自動車タイヤ需要は、市販用は好調だったものの自動車生産減による新車用及び輸出が減少し、トータルでは前年比僅かに低下すると見込まれます。このような自動車・タイヤの需要環境の下、昨年のカーボンブラック需要も秋口以降の需要回復はあったものの、前半の落ち込みの影響で前年比
3%程度下回るものとみております。
 昨年の輸入品量は、前年比6%減と見込まれますが、昨年のカーボンブラック国内生産量は需要の落ち込みで、前年比96%程度と見ています。なお、輸入品について、全体量は減少の中、異常とも思える低価格の中国品は前年比約2割増加している点が特筆すべき点としてあります。
 次に本年の見通しですが、世界経済は日米欧の景気回復が続き、これに伴い東南アジア経済も堅調に推移するものと予想されます。
 日本経済はこの4月の消費税増税の駆け込み需要とその反動がどの程度影響するかがあります。このような経済環境の下で、カーボンブラック需要がどうなるかですが、自動車は消費税増税の駆け込み需要の反動、またタイヤは輸出向け前年よりやや増加するものの、国内向けが消費税増税で新車用、市販用共にやや減少し、トータルで微減と見込まれており、カーボンブラック需要も2013年より微減かと見ております。
 カーボンブラック産業を取り巻く環境として、タイヤ・自動車部品メーカーの海外進出拡大、円安による原料価格の上昇、異常とも思える低価格攻勢で増量を図っている中国品対抗などがあり、国内カーボンブラック事業の安定には、厳しい道のりがございます。私どもカーボンブラック業界と致しましては、企業が為すべきコストダウン・研究開発等は会員各社が磋危琢磨し、一方 環境、安全等、業界共通の問題は各社の英知を結集して局面打開を図り、お客様にご安心、ご満足をいただけるよう鋭意努力を重ね、日本のカーボンブラック産業の生き残りに向け進めております。
 かかる状況下、関係省庁・お客様各位には尚一層のご厚誼とご高配を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
 今年は「午」年でございます。『午』年は、景気が馬の背に乗るように跳ね上がると言われております。特に今年は“甲午(きのえうま)”で、午の「活発な行動力」、甲(きのえ)の「伸びる・発展する」という意味から何事においても発展、前進し、夢に向かい伸びるとされております。消費税率引き上げによる景気後退など懸念材料もございますが、昨年の景気回復の勢いが更に増して、我々カーボンブラック業界も恩恵を受け、『伸びて、発展して行く』ことを強く願っております。
 年頭にあたりまして、本日ご参会の皆々様の益々のご健勝と各社の更なる発展を衷心よりお祈り申し上げ、私くしのご挨拶といたします。

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