SiC欠陥試験法を国際標準化 産総研が規格発行に貢献

2026年10月30日

ゴムタイムス社

 電気自動車や再生可能エネルギー分野でのSiCパワー半導体の普及拡大を支えるため、X線トポグラフ法(XRT)によるSiCエピタキシャルウェハの欠陥試験方法を規定した国際規格IEC 63068ー5が発行された。産業技術総合研究所は10月27日、電子情報技術産業協会(JEITA)をはじめとする産学官の関係機関と協調して、長年にわたり蓄積してきたウェハ品質評価技術およびデバイス信頼性評価技術の知見を結集し、同規格の発行に貢献した。
 これにより、製品として使用できなくなる結晶欠陥の可視化とSiCエピタキシャルウェハ品質評価の高度化が進み、国内外でのSiC製品の普及拡大と脱炭素社会の実現に貢献する。

 脱炭素社会の進展や電動車・再生可能エネルギーの普及拡大を背景に、電力損失の低減を担うSiCパワー半導体の需要が急増しており、社会インフラを支える中核デバイスとして高効率性と高信頼性の両立が強く求められている。これまで、光学検査手法およびフォトルミネッセンス法の国際標準化により、SiCエピタキシャルウェハの品質評価手法が体系化され、ウェハ品質の向上とともにSiCパワーデバイスの社会実装が着実に進展してきた。
 一方で、SiC結晶中にはこれらの手法だけでは検出が困難なデバイスキラー欠陥が存在し、デバイスの歩留まり・信頼性の向上に向けた課題が残されていた。同規格で新たに導入されるX線トポグラフ法は、この検出困難な結晶欠陥をウェハ全体にわたり可視化できる点に特徴があり、従来の手法では捉えきれなかった信頼性阻害要因を明確化し、ウェハ品質評価の精度を飛躍的に向上させる。
 これにより、ウェハ品質評価技術をウェハ製造プロセスへ適切にフィードバックすることが可能となり、SiCエピタキシャルウェハ品質の一層の向上が期待される。その結果、欠陥に起因したデバイス性能ばらつきや信頼性低下の抑制が期待され、高性能かつ高信頼なSiCパワーデバイスの実現が加速する。さらに、国際的に整合した品質評価基盤の確立を通じて、電動車や電力インフラ分野におけるSiC製品の普及を促進し、電力利用効率の向上によるCO2排出削減や国内パワー半導体産業の競争力強化に貢献する。

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