日本ゼオンがQunaSysと業務提携 研究開発の意思決定高度化を支援

2026年10月28日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは10月27日、QunaSysと、研究開発における新たなアプローチとなる数理モデルベースを幅広い製造業へ展開するため、業務提携契約を締結したと発表した。
 同スキームは、同社が長年培ってきたポリマーをはじめとする材料開発の知見・方法論と、QunaSysが有する数理モデリング技術を組み合わせ、研究者の現象理解と意思決定高度化を支援する研究開発アプローチとなる。
 なお、同社とQunaSysは、2022年3月に資本・業務提携を行い、機械学習・自動実験・量子コンピュータ等の先進技術をいち早く材料開発に役立てることができるデータマネジメントプラットフォームの構築を目指している。作成された数理モデルを効率的かつ効果的にデータ検証する、あるいは数理モデリングのベースとなる良質な仮説を創出するなどの面で、データマネジメントプラットフォームと同スキームは互いの強みを生かし合う関係性にある。
 数理モデルベース開発が、数理モデルを単なる予測ツールではなく、研究者の思考と意思決定を支援する基盤として活用する研究開発アプローチであることが他と異なるポイントとなる。同アプローチでは、目的定義、要因分解、仮説整理、数理モデル化、検証・更新、結果反映という一連のプロセスを通じて、開発現場で活用可能な数理モデルを構築する。
 数理モデルの価値は、予測精度の向上だけではなく、「現象の本質の理解」「検証すべき仮説の絞り込み」を行った上で、研究者が次に取るべきアクションを合理的に判断できる状態を実現することにある。さらに、その現象理解を「事業価値を高めるために、次に何をすべきか」という具体的な意思決定へとつなげることで、単なる研究開発にとどまらず、事業価値創出までを支援する。
 数理モデルベース開発を実践するためには、数理モデリング技術だけでも、材料開発の知見だけでも十分ではない。同社が有する材料開発における豊富な知見・方法論と、QunaSysが有する数理モデリング技術を組み合わせることで、数理モデルベース開発という新たな研究開発アプローチの実践を加速する。
 同社では、中期経営計画STAGE30において、事業ポートフォリオの組み換えを推進するとともに、今後の事業拡大を狙う次期成長ドライバとしてデータビジネスを掲げている。同基盤もデータビジネスの一翼を担うサービスとして育成する。
 今後、両社は数理モデルベース開発の方法論と実践事例を蓄積し、さまざまな材料開発分野への展開を進めていく。さらに、共同研究やPoC、企業向けソリューションの提供などを通じて、製造業における数理モデルベース開発の社会実装を推進し、研究開発の高度化と開発効率の向上に貢献していく。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー