クボタ、熱源としても有効活用 もみ殻から非晶質シリカ回収

2026年10月09日

ゴムタイムス社

 クボタは、松本ハイランド農業協同組合和田広域ライスセンター(JA松本ハイランド)において、未利用のもみ殻から非晶質シリカを回収するとともに、廃熱をもみの乾燥に利用するガス化炉の長期実証運転を開始する。同社では、ガス化炉で未利用のもみ殻から非晶質シリカを回収するとともに、廃熱をもみの乾燥の熱源として有効活用する。シリカの用途開発と販路開拓にも取り組み、他地域への展開も可能な未利用もみ殻の地域資源循環モデルの構築を目指す。
 お米の外皮であるもみ殻は、国内で年間約160万トン発生しており、その約3分の2は畜産の敷料、堆肥、土壌改良材などに利用されているが、残る約3分の1(年間約50~60万トン)は十分に有効利用されておらず、処理先の確保が課題となっている。特に稲作地域では、もみ殻の発生量が畜産分野の需要を上回り、一部では産業廃棄物として処理されているケースもある。かつては「野焼き」が一般的に行われていたが、現在は大気汚染(PM2・5など)への影響から、廃棄物処理法により原則禁止されている。
 米の集荷・乾燥調製を担うライスセンターでは、毎年大量に発生するもみ殻の処理が大きな課題。従来は、保管スペースの確保や運搬・処理コストの負担に加え、環境負荷への対応も必要で、施設運営の効率化と持続可能性の観点から改善が求められていた。また、もみ乾燥に必要な熱源も、エネルギー価格の変動や環境配慮の要請が高まる中、より安定的かつ環境負荷の低い調達手段が求められていた。こうした背景から、JA松本ハイランドでは「廃棄物の削減」と「エネルギーの有効活用」を同時に達成できる新たな仕組みの導入を検討してきた。
 一方、もみ殻には約20%のシリカ(SiO₂)が含まれている。シリカは、ゴム製品、樹脂、塗料、化粧品など幅広い産業分野で利用される工業材料であり、もみ殻から回収したシリカについても、用途に応じた品質調整や評価を行うことで、産業利用の可能性がある。 また、もみ殻は成長過程で大気中のCO2を吸収した植物由来のバイオマス資源であり、ガス化に伴う熱を化石燃料の代替として利用することで、温室効果ガス排出量の削減にも寄与することが期待される。こうした背景のもと、クボタは未利用のもみ殻の有効活用、CO2排出削減といった課題解決をめざし、もみ殻処理に最適化したガス化炉を開発した。
 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー