デンカは10月7日、北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の髙田礼人教授と共同開発したエボラウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビーEbola」を、国際協力機構(JICA)を通じて、コンゴ民主共和国に計3万テストを提供することになったと発表した。
今回の提供は、JICAが実施する「コンゴ民主共和国ウイルス性出血熱の早期探知・警戒・対応に向けたワンヘルスサーベイランス強化プロジェクト」において、現地のコンゴ民主共和国国立生物医学研究所(INRB)からの要望を受けたものとなる。このたびその一部として2000テストを提供した。このうち550テストは緊急対応分として9月22日にINRBに供与された。
同キットは、2018年以前から髙田教授の協力のもと、同社より試験用の試作品としてJICAを通じてコンゴ民主共和国に供与されてきた。2018年5月の同国赤道州におけるエボラ出血熱発生時には初期検査に使用され、その後、2018年~2020年にかけて同国北キブ州などで流行した際にも、PCR検査と並行して使用され、現地での使用実績を有している。こうした使用実績と評価に基づいて医薬品医療機器総合機構(PMDA)の国内製造販売承認を取得し、2024年6月にはコンゴ民主共和国保健省から使用許可を取得した。
また、現在コンゴ民主共和国で流行しているブンディブギョエボラウイルスについても、流行確認後、速やかに同キットをINRBへ送付し、同ウイルスに反応することを確認している。
同キットは診断結果を約10分で判定でき、室温で保存可能なうえ、特別な器具や装置を必要としない。このため、都市部から離れ、医療施設が十分に整備されていない地域でも活用できる。今後の活用を通じて、エボラ出血熱患者の迅速な診断による早期対応を可能とし、感染拡大の防止に貢献することが期待される。
同社は経営計画「Mission2030」において、ヘルスケア事業を重点分野のひとつと位置づけている。今後も感染症の予防と早期診断を通じて世界の医療の課題解決に取り組み、人々のQOL向上に貢献していく。



