三洋化成工業は9月15日、ナガセビューティケァおよび長瀬産業との共同研究において、においセンサー『FlavoTone』による香気データ取得および解析技術を提供し、天然物由来原料の品質評価に対して、においの可視化技術が有効であることを確認したことを発表した。同研究成果は、従来は官能評価に依存する部分が大きかった香り品質の評価に対し、においセンサーと統計解析を用いて客観的に評価できる可能性を示すもの。同社は第三者機関として『FlavoTone』による受託分析サービスを提供し、官能評価の標準化・デジタル化を後押ししていく。
化粧品に用いられる天然物由来原料は、天候・日照、生育地・産地、収穫時期などの様々な環境要因の影響を直接受けるため、安定した香りの確保が非常に困難であり、ロット間での香りの変動(品質ブレ)が長年の課題となっていた。特に化粧品において「水」や「蒸留水」などの水性成分は製品全体の大部分を占めるため、原料の香りのブレは製品品質や顧客のブランド体験に直結する。ナガセビューティケァでは、独自の高精度蒸留プロセスを適用することで、ローズマリーから香りの良い主要成分のみを抽出する技術を開発した。本研究では、この独自蒸留技術によって得られた化粧品原料の香りの均一性を客観的に評価・検証し、良質な化粧品原料としての実用性を確かめることを目的とした。
評価にあたっては、同社が保有する高精度においセンサー『FlavoTone』で香気データを取得し、得られたデータを主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)により多次元解析した。
官能評価(人の嗅覚による評価)に頼るのではなく、PCAスコアプロット上における「クラスタの広がり(分布領域)」を香りのブレの客観的指標として設定することで、原料の差異や製造プロセスの有無による香気プロファイルの再現性を視覚的・定量的に評価した。
同共同研究を通じて、ナガセビューティケァの「独自の高精度蒸留技術」と三洋化成工業の「FlavoToneR+PCA解析によるにおいの客観的評価」を組み合わせることで、天然物由来原料における香りの均一化と客観的な品質保証が可能であることが示された。
今後は、同共同研究を通じて得られた知見をもとに、測定条件の標準化や定量的な判定基準(受入規格・管理限界)の設定、官能評価との相関性向上、異常検知の精度検証を進め、ナガセビューティケァが目指す製造現場での次世代品質管理(QC)システムの実装に向けて3社で連携していく。


