東レが日本経済見通しを発表 緩やかな回復基調を維持

2026年09月11日

ゴムタイムス社

 東レは9月9日、「2026・2027年度日本経済見通し(2026年9月改訂)」を発表した。
 景気は緩やかな回復基調を維持する見通しで、実質GDP成長率予測は2026年度0・9%、2027年度1・1%となる(前回2026年8月時点の予測は、2026年度0・8%、2027年度1・1%)。
 2026年4~6月期GDP(2次速報)の公表(9月8日)を受けて、東レ経営研究所は日本経済見通しの改訂を行った。実質GDP成長率の予測は2026年度が0・9%、2027年度が1・1%と予測する(2025年度実績は0・9%)。26年4~6月期GDPの実績値が上方修正されたことを受けて、26年度の成長率見通しを前回から0・1%Pt上方修正した。先行きの景気の見方に大きな変更はない。
  2026年7~9月期GDP成長率はプラスながらゼロ近傍に鈍化する見通しとなる。26年4~6月期の実質GDP(2次速報)は、前期比プラス0・4%(年率プラス1・4%)と、1次速報の前期比プラス0・3%(年率プラス1・1%)から小幅ながら上方修正された。設備投資が上方修正された一方で、個人消費は1次速報からほぼ変わらず前期比横ばいで、国内需要は精彩を欠く内容である。それでも、3四半期連続のプラス成長となり、緩やかな景気回復が続いているとの評価に変わりはない。
 先行きについてみると、26年7~9月期の実質GDPは、現時点では前期比プラス0・1%(年率プラス0・3%)とプラスながらゼロ近傍にとどまると予想する。個人消費と設備投資は増加するものの、輸入の増加が下押し要因となる。
 26年度後半も緩やかな景気回復基調が続く。26年度後半に入っても、景気回復基調は続くが、回復ペースは緩やかにとどまる見通しである。
 中東情勢悪化を受けた輸入物価上昇が川下の製品・サービス価格に転嫁されていくことが、個人消費の下押し要因となる。それでも、政府がエネルギー補助金などで物価上昇圧力をある程度緩和するとみられることや、高率の賃上げが続いていることなどから、個人消費の増加基調は維持される見込みである。
 設備投資は、中東情勢悪化を受けたコストの上昇や不確実性の高まりから、緩やかな伸びにとどまる。だが、人手不足対応の省力化やDX・AI関連、脱炭素関連などの投資需要が根強く、政府の成長戦略による投資支援も追い風となることから、設備投資の増加基調は維持される見通し。
 27年度は中東情勢悪化の影響緩和と食料品への消費税減税が景気を下支えする。
 27年度については、中東情勢悪化による下押し影響が和らぐことにより、景気回復テンポが26年度より高まる見通しである。
 加えて、27年4月からの食料品に対する消費税率が1%に引き下げられることが、個人消費の押し上げ要因となる。この消費税減税によって、27年度の実質GDP成長率は0・2%Pt程度押し上げられ、27年度の消費者物価指数(生鮮食品除く総合)は▲1・0%Pt程度押し下げられると想定している。
 なお、上記標準シナリオに対する景気下振れリスクとしては、中東情勢緊迫が再燃・長期化した場合の輸出下振れ、および原材料の供給制約、資源・エネルギー価格のさらなる高騰を受けて設備投資が抑制され個人消費が低迷するリスクに引き続き注意が必要である。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー