ブリヂストンは8月28日、天然ゴム供給源の多様化に向けて、グアユールのゲノム編集個体作出に成功したと発表した。
同社は、福岡バイオコミュニティが実施するプロジェクトに参画し、九州大学と共同でゲノム編集技術を用いたグアユールのゴム生産性向上に関する研究開発を進めてきた。このたび、グアユールのゲノム編集個体の作出に世界で初めて成功し、ゴム生産性向上に寄与する基盤技術を開発した。同成果は、天然ゴム供給源の多様化に向けて、同社が2012年よりグアユールの実用化に向けて進めてきた品種改良研究の加速に大きく貢献するものとなる。
同社は、サステナビリティを経営の中核に据え、商品を「創って売る」、「使う」、原材料に「戻す」というバリューチェーン全体で、カーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの実現とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立に取り組んでいる。同共同研究は、その一環として、天然ゴムの持続可能性を向上し、より循環型・再生型のビジネスモデルへの進化に貢献するものとなる。
天然ゴムの主な供給源であるパラゴムノキは、生育地が赤道付近と地理的に限られるうえ、気象変動や病害といった外部要因の影響を受けやすい樹種となる。グローバルでの自動車保有台数の増加に伴い、将来の天然ゴム需要増加が見込まれている。同社は天然ゴムの安定供給に向け、病害診断技術やバイオ技術などを活用したパラゴムノキ由来の天然ゴムの生産性向上に取り組むとともに、天然ゴム供給源の多様化にも努めている。グアユールについては、2012年から研究を本格化し、米国・アリゾナ州にグアユール研究農園と研究施設を設立・運営している。実用化に向けた研究開発やレース用タイヤへのグアユールの採用などの取り組みを進めているが、単位面積当たりのゴム生産性向上が実用化の課題の1つとなっている。
同共同研究では、まずはグアユールのゲノム編集細胞から植物体を再生するという技術課題に対し、九州大学の植物ゲノム編集技術と、同社が培ってきた天然ゴムに関する知見・ノウハウを融合することで克服し、ゲノム編集個体の作出に成功した。今後は、同ゲノム編集技術を活用して、グアユールのゴム生産性向上に関わる有用遺伝子の探索や機能解明を進めていく。
8月27日には、同社執行役CIOの草野智弘氏と先端技術総合研究所長の大月正珠氏が、久留米市の原口新五市長を表敬訪問した。また、同日開催された福岡バイオコミュニティフォーラム2026では、同社サステナブル技術戦略・研究部長の内山俊宏氏が、同成果の報告を行った。



