ENEOSマテリアルは、ENEOSグループにおける素材事業の中核として、環境配慮型の高性能タイヤ材料SSBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)と、二次電池材料である電池用バインダーの2本柱を戦略事業として展開している。
2025年度の事業動向を振り返えると、主力のSSBRが市場成長を上回るペースで拡大し、過去最高を更新した。辻昭衛経営企画本部長はSSBRについて、「アジア・中国での需要が強かった」と語る。
一方、欧州市場では、米国向け中国製タイヤ輸出の減少に伴い欧州への流入が増加し、アンチダンピング関連の駆け込み需要も発生した。加えて高機能タイヤのニーズの高まりもあり「中国を含むアジア地域でSSBRの先端世代が伸長した」(同)という。
今後の展開として、四日市工場はSSBRの増産体制構築を進めており、高付加価値品を中心にさらなる拡大を見込んでいく。
汎用ゴムは生産キャパシティがほぼフル稼働に近く、「生産効率向上が課題」(同)とする。電池用バインダーについては、欧州での新規立ち上げが寄与したものの、EV市場全体が踊り場に入りつつあり、成長スピードは想定より緩やかとなった。米国の関税政策の影響も受けており、「確かに需要があるが、EV市場が期待したほど伸びていない」(同)という。
2025年度はDX推進にも注力し、生成AIの導入や業務効率化施策を全社的に展開し、残業時間削減など一定の効果は見られた。同社は「AI活用は差別化ではなく、使わないことがリスクになる時代」と捉え、具体的な例として、AIによるプロセス制御を挙げ、今後も他品種・他プロセスへの展開など、活用範囲を広げていきたいとしている。
2026年度の事業戦略では、SSBRと電池用バインダーの
2026年06月23日
