帝人らが市村産業賞功績賞受賞 共同開発の心・血管修復パッチ

2026年06月02日

ゴムタイムス社

 帝人、福井経編興業、大阪医科薬科大学は5月20日、共同開発した心・血管修復パッチ「シンフォリウム」に関して、第58回「市村産業賞」において功績賞を受賞したと発表した。
 「市村産業賞」は、昭和38年4月29日に実業家の市村清氏が紺綬褒章を受章したことを記念して創設された「市村賞」のひとつで、優れた国産技術を開発することにより産業分野の発展に貢献し、顕著な功績をあげた技術開発者に贈呈される賞となる。
 今回の受賞テーマは「小児心臓手術における再手術のリスクを減らす心・血管修復パッチ」であり、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の開発に携わった帝人、福井経編興業、大阪医科薬科大学の3機関が受賞した。3機関は、先天性心疾患患者における再手術のリスクを低減し、患者および家族の心的負担の軽減やQOL向上に貢献する心・血管修復パッチ「シンフォリウム」を産学官連携により開発したことが評価された。また、社会的な必要性が高い一方で患者数が少なくかつ高度な設計技術が求められるために開発への参入が限られている小児用医療機器分野において、今回の3機関の取り組みが子供を救う治療技術革新の先導的な事業化モデルとなる点も評価された。
 心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、先天性心疾患の手術に使用される医療機器となる。吸収性の糸と非吸収性の糸で編んだ特殊な構造のニットに、吸収性の架橋ゼラチン膜を一体化させている。手術により心臓や血管に縫着された後、まず架橋ゼラチン膜が、次に吸収性の糸が徐々に分解され、その間に非吸収性の糸を含むように自己の組織が形成される。これにより、先天性心疾患の外科手術後に生じる材料の劣化や、成長に伴うサイズのミスマッチによる再手術リスクの低減が期待されている。
 今後も、それぞれの技術や知見を持ち寄りながら、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」のさらなるプレゼンス向上を進めていく。また、世界中の先天性心疾患の患者のQOL向上に貢献するため、海外における製造販売承認取得に向けた活動を推進していく。さらに、同技術を応用した弁形成用の素材や、先天性心疾患治療に使用される弁付きの人工血管など、現在の未充足な医療ニーズを解決できるような製品の開発を通じて、社会へのさらなる貢献を目指す。

贈呈式の様子

贈呈式の様子

心・血管修復パッチ「シンフォリウム」

心・血管修復パッチ「シンフォリウム」

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