日本ゼオン、氷見二上工場増設 位相差フィルム生産能力2割増へ

2025年12月18日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは12月15日、氷見二上工場において、大画面液晶テレビ用位相差フィルムラインの増設工事に着手することを発表した。新ラインは液晶パネルの大型化ニーズの拡大に応えるため、世界最大級となる3000mm幅フィルムを生産する設備で、2027年夏の量産開始を目指す。なお、今回の増設により、同社のテレビ用位相差フィルムの生産能力は約20%増え、年間2億6400万㎡に拡大する。

 同日に現地で行われた起工式には、富山県および氷見市から来賓を招いたほか、工事関係者、豊嶋、宮城をはじめとする同社関係者ら44名が出席し、工事の安全祈願を行った。

 同社の光学フィルム(製品名:ZeonorFilm)は、同社独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を原料に用い、世界初となる溶融押出法により生産されている。ゼオノアフィルムは、優れた光学特性と寸法安定性を有しており、大型テレビやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止等の機能を持たせる位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。

 今回、氷見二上工場内に新たな建屋を建設し、年間4500万㎡の生産能力を有する設備を導入する。新ラインでは、世界最大級となる3000mm幅フィルムを生産し、近年ニーズが高まる液晶テレビの大型化に対応する。増設ラインの量産開始は2027年夏を予定しており、操業人員の確保も進めていく。

氷見二上工場

氷見二上工場

起工式の様子

起工式の様子

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー