クラレは12月10日、11月15日に早稲田大学理工学術院総合研究所主催の「国際宇宙ステーション搭載ＣＡＬＥＴによる観測10周年記念シンポジウム」にて、ＣＡＬＥＴ実験の発展に貢献したことを評価され、宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）より感謝状を受領したことを発表した。
同社は、早稲田大学理工学術院総合研究所と宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）が行うＣＡＬＥＴ（ＣＡＬｏｒｉｍｅｔｒｉｃ Ｅｌｅｃｔｒｏｎ Ｔｅｌｅｓｃｏｐｅ）実験において、放射線検出用素材「ＰＳＦ（プラスチックシンチレーションファイバー）」を提供してきた。今回の表彰は、高品質なＰＳＦを供給し、そのＰＳＦを使用した検出器が長期に渡り安定的にその性能を発揮し、実験の発展に寄与したことが認められたものである。
ＣＡＬＥＴは、世界で初めて宇宙空間におけるテラ電子ボルト領域の高エネルギー電子の精密観測を可能にしたカロリメータ型検出器である。２０１５年に国際宇宙ステーション（ＩＳＳ）に打ち上げられ、日本実験棟「きぼう」の船外プラットフォームに設置された。当初の設計寿命は約５年だったが、故障や性能劣化もなく、10年以上にわたり安定した観測を続けている。この節目となるシンポジウムに、開発メーカーの一つとして同社も参加し、メタアクリル事業部長中村吉伸氏が感謝状を受領した。
国際宇宙ステーション（ＩＳＳ）の日本実験モジュール「きぼう」にて、早稲田大学理工学術院総合研究所とＪＡＸＡが共催する宇宙科学の国際的な研究実験に、同社ＰＳＦが貢献してきたことが認められ、とても光栄だと同社はコメントしている。同社は今後も宇宙物理学をはじめとする幅広い分野で未来の科学の発展に貢献できるよう、引き続き技術開発を推進していきたいと考えている。
ＰＳＦ（プラスチックシンチレーションファイバー）
感謝状を持つ中村事業部長（左）と今宮グループリーダー（右）
