東海カーボンらが環境省公募に採択 機能性固体炭素製造技術の開発・実証

2025年12月04日

ゴムタイムス社

 スマートシティ企画、タクマ、東海カーボンは12月1日、3社で実施する「炭素循環型社会の構築に向けた機能性固体炭素製造技術の開発・実証」が、環境省が公募した令和7年度「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択されたと発表した。
 同実証では、一般廃棄物の処理に伴い排出される二酸化炭素(CO2)を分離・回収して固体炭素を製造するとともに、カーボンニュートラルな導電性カーボン材として製品化する技術の開発に取り組む。実施期間は2025年11月から2028年3月までを予定し、脱炭素社会の実現に向け2030年度の社会実装を目指す。
 同実証において、スマートシティ企画は主にプロジェクト全体の統括、事業計画の策定を担当する。また、タクマは「固体炭素化システム」の開発を手掛ける。
 同システムは、一般廃棄物の処理に伴い排出されるCO2を分離・回収し、一酸化炭素に還元の上、反応装置で固体炭素に変換するものとなる。プロセスを通じて、廃棄物処理で生じる電気や熱などのエネルギーを活用し、化石資源や外部からのエネルギー供給に頼らずに運用可能なシステムを目指す。
 東海カーボンは、固体炭素を製品化するため、反応・製造プロセスの最適化などによる品質向上やコストダウンに取り組む。これにより、品質や経済性は市場に流通しているCNTと同等以上の水準でありながら、原料や製造工程に化石資源を用いないカーボンニュートラルな導電性カーボン材の実現を目指す。
 2028年3月まで実施する同実証では、技術の開発に加え、CO2削減効果や経済性の検証を行う。それを踏まえて、2030年度に、CNTの代替となるカーボンニュートラルな導電性カーボン材の事業開始を目指す。
 今後、3社は密接に連携しながら、同実証を通じて得た成果を早期に社会実装することで、脱炭素社会の実現に貢献していく。
 環境省の採択内容について、事業名は、令和7年度「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」、対象枠は、ボトムアップ型 分野別 技術開発・実証枠、分野はバイオマス・循環資源分野、実施体制は、スマートシティ企画(代表実施者)、タクマ、東海カーボン、課題名は炭素循環型社会の構築に向けた機能性固体炭素製造技術の開発・実証、実施期間は2025年11月~2028年3月となる。

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