住友ゴムがラベル台紙を資源循環 ゴルフクラブ製造工程で発生

2025年12月02日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は11月28日、同社グループ初の取り組みとして、関連会社であるダンロップゴルフクラブで発生するラベル台紙のマテリアルリサイクルを12月1日から開始することを発表した。
 今回の取り組みでは、ラベル循環協会(JーECOL:JapanーEarth Conscious Labeling Association)と連携し、従来は焼却処理されていたラベル台紙を段ボール原材料の一部(中芯原紙)として再資源化する。これにより、CO2排出量削減と資源循環の両立を目指す。

 ラベル台紙とは、ラベルやシールを剥がした後に残る紙で、焼却処理やサーマルリサイクルが主流である。背景には、シリコーンやポリエチレンが付着しているため、製紙原料として扱うことが難しくリサイクルに適さない「禁忌品」として認識されてきたことがある。また、適切な回収・処理を行うサプライチェーンの仕組みを構築することが困難だった。

 同社グループの国内タイヤ工場とゴルフクラブ工場では商品表示ラベルや製品管理ラベルなど年間約116トンのラベル台紙が発生しており、ダンロップゴルフクラブでは、クラブの完成品に貼るラベルなどにより約35トンが発生している。
 JーECOLの支援により、単独企業では困難だったマテリアルリサイクルの商流を確立した。ラベル台紙は工場内で適切に分別され、古紙問屋によって回収される。その後、再生紙の原料としてリサイクルされ、最終的には段ボールの一部(中芯原紙)へと生まれ変わる。

 本取り組みは、2024年10月に発表した7つのマテリアリティ(重要課題)のうち、「気候変動」「循環型経済」への対応を具体化するものである。ラベル台紙を有効な資源として再利用することで、ラベル台紙の焼却処理時に発生する年間8・3トンのCO2排出量を削減できる見込みである。さらに、従来の段ボール製造と比べて年間34・3トンのCO2排出量削減が見込まれる。今後は、他工場への展開も視野に入れ、循環型社会の実現に貢献していく。

ゴルフクラブ製造工程で発生するラベル台紙

ゴルフクラブ製造工程で発生するラベル台紙

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