住友化学、台湾AUECCを買収 半導体プロセスケミカル事業強化 

2025年11月25日

ゴムタイムス社

 住友化学は11月20日、台湾の半導体用プロセスケミカル企業であるAsia Union Electronic Chemical Corporation(AUECC)の全株式を取得することについて合意したことを発表した。今後、関係当局の承認など必要な手続きを経て、買収が完了する予定だ。これにより、同社は半導体用プロセスケミカル事業において台湾初の製造拠点を、また米国ではテキサスに次ぐ第二の製造拠点を取得し、さらなる事業拡大を目指す。

 半導体産業は、IoTの進展、生成AIの急速な普及や、データセンター需要の拡大を背景に、世界規模での持続的な成長が期待されている。半導体の高性能化・微細化に伴い、半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物除去などに使用される各種プロセスケミカルには、ppt(parts per trillion=1兆分の1)レベルの超高純度化技術や高度な品質管理が求められている。

 同社は、長年にわたり蓄積した技術に基づく高い品質と安定した供給体制を強みに、半導体用プロセスケミカルのリーディングカンパニーとしてグローバルに事業を展開している。半導体用プロセスケミカル需要の拡大を見据え、2022年には米国・テキサス州にて拠点新設に着手するなど、供給網の整備、能力拡大を進めている。

 AUECC社は、1998年に設立され、半導体用プロセスケミカルの開発・製造・販売を行っている。台湾・高雄市および米国・ネバダ州に製造拠点を有し、半導体用プロセスケミカルの幅広い製品ラインアップ、高度な品質管理体制に加えて、原料調達、製造から顧客ニーズに合わせたパッケージング、グローバル物流までの一貫した製品供給体制を強みとしている。AUECC社はこの強みを生かし、半導体用プロセスケミカルのワンストップソリューション・プロバイダーとして、台湾や米国の主要半導体メーカーから長年にわたり高い信頼を獲得してきた。

 今回の買収により、同社は半導体用プロセスケミカルのグローバルな供給体制を拡充するとともに、AUECC社のグローバル販売・調達ネットワーク、幅広い製品ラインアップや供給形態を活用することで、半導体メーカーに多様なソリューションを提供する。加えて、同社グループが長年培ってきた技術を導入することで、AUECC社の生産効率向上など、本買収シナジーの最大化を目指す。

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