高機能プラスチックは減収増益 住友ベークライト4~9月期

2025年11月10日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの26年3月期第2四半期決算の売上収益は1565億2800万円で前年同期比2・2%増、事業利益は171億1800万円で同8・2%増、営業利益は164億6200万円で同5・1%増、四半期利益は132億9100万円で同4・3%増となった。

 セグメント別では、半導体関連材料の売上収益は512億5600万円で同11・1%増、事業利益は101億9600万円で同8・5%増。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、中国国内の旺盛な半導体需要が継続し、加えてAI関連用途の需要が拡大したことにより、売上収益は増加した。半導体用感光性材料は、第2四半期からのメモリ市場回復により売上収益は増加した。
 半導体用ボンディングペーストは、中国内需向けが好調を持続し、中国での新規拡販や東南アジアの高密度パッケージ向けが増加したことにより、売上収益は増加した。
 半導体基板材料「LαZ」シリーズは、モバイル機器向けの販売伸長に加え、AIサーバー向けのパワーデバイスへの採用拡大により、売上収益は増加した。

 高機能プラスチックの売上収益は511億6900万円で同4・2%減、事業利益は25億7500万円で同1・4%増となった。工業用樹脂は国内で半導体用途の販売は伸長したものの、北米拠点で不採算品からの撤退など、構造改革に向けた諸施策を実施していることから、売上収益は減少した。
 成形材料は、米国の関税政策の影響などから北米自動車市場での需要が停滞したことに加え、中国での電気産業関連の需要減などにより、売上収益は減少した。
 積層板は、車載・エアコン用途の需要低迷が続いており、売上収益は減少した。航空機部品は、顧客での生産数量が回復傾向にあり、売上収益は増加した。

 クオリティオブライフ関連製品の売上収益は537億8700万円で同1・0%増、事業利益は67億1500万円で同11・6%増。医療機器および医薬品は、血液バッグ、経腸栄養関連製品に加え、低侵襲血管内治療で使用されるマイクロ能動カテーテルの海外向け販売や、胸部ステントグラフトの国内での販売が伸長したが、北米での不採算品の整理により、売上収益は減少した。 診断薬およびバイオ関連製品は、国内向け診断薬や、北米の再生医療向けの需要減により、売上収益は減少した。フィルム・シートは、半導体生産用途ではカバーテープのシェアが拡大したものの、ダイシングフィルムの在庫調整により横ばいだったが、医薬品包装用途では新規ジェネリック医薬品の販売開始と既存品の在庫積み増しがあり、食品包装用途ではカット野菜やポーションの販売が堅調に推移したため、売上収益は増加した。
 産業機能性材料は、車載向けの光学製品の需要が大きく伸長し、建材、店装材も堅調に推移したが、アイウェア用途の需要減により、売上収益は横ばいとなった。
 防水シート関連は、住宅着工戸数の減少に伴い量産住宅向けの需要が落ち込んだが、資材価格の高騰や施工経費の上昇分を価格転嫁したことや、省エネ住宅(ZEH)対応部材の販売拡大などにより、売上収益は増加した。

 26年3月期の連結業績予想は、売上収益は3100億円で前期比1・7%増、事業利益は325億円で同5・4%増、営業利益は310億円で同25・0%増、当期利益は235億円で同21・9%増を見込んでいる。

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