豊田合成が関西ペイントと共同開発 大型製品でもインモールドコート可能に

2025年10月29日

ゴムタイムス社

 豊田合成と関西ペイントは10月24日、大型の自動車用プラスチック部品の成形と塗装を金型内で行う「インモールドコート技術」を共同開発したことを発表した。インモールドコートは一般的に小型製品向けには活用されてきたが、難易度の高い大型外装部品の量産への適用を可能にしたのは国内初となる。

 開発のポイントは、豊田合成独自の「大型製品向けの金型技術」と両社協業による「塗料の材料設計技術」を活用したことである。具体的には、①国内で初めて、大型外装部品の量産へ適用可能にしたこと、②また、塗装面の高い平滑性により、ガラス面と一体感のあるシームレスな外観(つなぎ目が目立ちにくい)を実現したことで、高級感の演出や新たな造形デザインが可能となる。

 その他のメリットとしては、ウレタン塗料の採用により耐久性を向上(洗車時などの擦り傷が目立たなくなる)、塗装ブース、乾燥炉が不要となることで、生産時のCO2を削減(約6割削減)できる。

 今後の展望として、2026年春頃、本技術を用いた大型外装部品を市場投入予定のほか、豊田合成の国内外の生産拠点に展開予定(競争力のある新たな加飾技術の柱)となる。
 今後も両社協業により本技術を幅広い製品に活用し、魅力的な外観の車づくりに貢献するとともに、さらなるCO2削減の実現を目指す。

インモールドコートを用いた大型製品(試作品)

インモールドコートを用いた大型製品(試作品)

シームレスな外観のイメージ

シームレスな外観のイメージ

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