レゾナックが経済産業大臣賞受賞 SiCエピウェハーの開発を評価

2025年07月18日

ゴムタイムス社

 レゾナックは7月16日、同社が開発・供給するパワー半導体向け高品質SiCエピウェハーが、新化学技術推進協会主催の第24回グリーン・サステイナブルケミストリー賞経済産業大臣賞を受賞したと発表した。
 同受賞は、同社が手掛ける高品質SiCエピウェハーの開発とその社会実装が、カーボンニュートラル社会の実現に向けた産業技術として、その社会的価値を高く評価されたことによるものとなる。
 現在、地球温暖化や環境問題が深刻化する中で、世界中でカーボンニュートラルの実現が喫緊の課題となり、エネルギー変革を促進するための先進的な技術開発が求められている。その一環として、SiCを用いたパワー半導体が注目を集めている。
 この半導体は、シリコンを用いた従来のパワー半導体に比べて、高耐圧・大電流・高温動作・低損失などの特性を有し、エネルギー効率の向上に寄与している。
 同社は、高品質なSiCエピウェハーの開発と量産化に成功している。その中でも「第二世代ハイグレードエピ(HGEー2G)」は、従来品を超える欠陥密度の低減を達成し、パワー半導体の信頼性向上を実現した。
 この技術は、特に100A級大電流デバイスの実用化や車載用インバータの駆動素子に採用され、国内外で高い評価を得ている。
 さらに、国内で初めて8インチ(200mm)SiCエピウェハーのサンプル出荷を開始し、同技術の実用化をさらに加速させている。
 受賞技術の特徴と社会的意義は、下記の通り。
 高品質SiCエピウェハーを用いて製造される、高耐圧・大電流対応のSiCパワー半導体は、電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、鉄道車両、AIデータセンター用電源など、さまざまな分野での利用が進んでおり、「HGEー2G」の開発や8インチSiCエピウェハーの製造を可能にする、高度な結晶成長プロセス、欠陥制御技術、AIを活用した評価技術、革新的な専用装置により、優れた量産性と信頼性を実現している。その他、1998年から二十数年に及ぶ研究開発努力と、共創・オープンイノベーションによる技術基盤の強化が評価された。
 同社は今後も、カーボンニュートラル社会の実現に向けた技術の発展と実用化に取り組んでいく。

表彰式

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SiCエピウェハー

SiCエピウェハー

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