エボニックインダストリーズは7月1日、POLYVEST STーE60の最終製造工程を現地化し中国・上海で行うことを決定したと発表した。
POLYVESTは、タイヤ等ゴム製品における反応性可塑剤として使用する。POLYVESTが本来有するゴム物性により、タイヤトレッド配合物のゴムマトリックスと高い相溶性を発揮する。この拡張プロジェクトは、2025年第3四半期までに完全稼働を開始する予定としている。
シラン変性液状ポリブタジエンの生産能力増強は、同社がスペシャルティケミカル市場における信頼できるパートナーとしての地位を強化する上で、大きな前進を意味する。同社は、現地生産とグローバルな生産能力の拡大を通じて、ゴム製品、接着剤、コーティング剤、タイヤ、シーリング材など、さまざまな用途に不可欠なこの高機能添加剤に対する継続的な需要に応えることを目指している。
コーティング&接着剤樹脂事業部の責任者アンナ・マリア・イカート氏は、「この戦略的投資により、当社の生産能力が強化され、アジアのお客様が供給安定性の改善やリードタイムの短縮という恩恵を受けることができるようになる。現在の環境下では、独立したサプライチェーンを構築し、製品とお客様の距離を縮めることが不可欠。これにより、お客様のニーズに迅速かつ効果的に対応できるようになる」と述べている。
コーティング&接着剤樹脂事業部ポリブタジエン・特殊アクリレート事業の責任者であるユルゲン・ハービック氏は、「今回の拡張は、持続可能性と卓越したオペレーションに重点を置きながら、グローバルな事業展開の強化を目指す当社の長期戦略と合致するもの。新たな生産能力により、エボニックのお客様は、地域の成長の一翼を担いながらビジネス目標を達成することが可能になる。これは、アジアにおける当社の存在感を高めるうえで、重要な一歩となる」と述べている。
2025年07月03日