三菱ケミが米リサイクル認証 食品包装用の多層フィルム

2025年05月09日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは5月8日、食品包装材などに使われるガスバリア性樹脂「ソアノール 」とリサイクル助剤 「ソアレジン」を含む多層フィルムが、米国のリサイクル認証機関The Association of Plastic Recyclersのリサイクル認証を取得したと発表した。
 ソアノールは、同社独自技術によって開発された高いガスバリア性、耐油性、透明性を持つエチレン ・ビニルアルコール共重合樹脂となる。食品包装材として用いることで、食品の風味や品質を長持ちさせ食品ロス削減に貢献する。また、他素材に比べて薄膜化が可能でプラスチック使用量の削減にも貢献することから、環境配慮型の素材として世界で需要が拡大している。
 食品包装材をはじめとするプラスチック製品は資源循環の観点からリサイクルが求められ、リサイクル性に優れる素材の開発が進んでいる。このたび、同社はAPRにおいて、ソアノール含有率15wt%のポリエチレンベース多層フィルムがリサイクル可能であるとの認証を取得した。
 また、他の樹脂との相溶性を高め、リサイクル材の品質を向上させるソアレジンを併用した場合においても、同多層フィルムのリサイクルが可能と認証された。
 さらに、APRによるリサイクル認証取得に基づき、リサイクル性表示ラベルシステムHow2Recycleのpre-qualification letterも取得した。
 このリサイクル認証とpre-qualification letterの取得は、ソアノールが食品ロスの削減のみならず、資源循環にも貢献する素材であることを示したものと言える。
 同社は、同社グループの経営ビジョン 「KAITEKI Vision35 」において 「食の品質保持 」を注力事業領域のひとつに挙げている。食の品質保持を支える環境配慮型の素材の提供によって、社会のサステナビリティ実現に貢献していく。

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