信越化学工業の25年3月期連結決算は、売上高が2兆5612億4900万円で前期比6・1%増、営業利益は7421億500万円で同5・9%増、経常利益は8205億4300万円で同4・2%増、当期純利益は5340億2100万円で同2・7%増となった。
シリコーン事業が含まれる機能材料事業の売上高は4486億円で同6%増、営業利益は1000億円で同18%増となった。汎用製品群で中国経済の不振に起因する在庫調整や市況軟化が続いたが、引き続き機能性の高い製品群の販売を増やすことで収益を補うことに努めた。
生活環境基盤材料事業の売上高は1兆415億円で同3%増、営業利益は2914億円で同9%減となった。塩化ビニルに関しては、昨年4~6月において主要地域で価格が上昇し、7~9月でさらに水準の改善ないし維持することができたが、10~12月では地域によって様相が異なった。今年1~3月でも値上げできた地域とそうでない地域に分かれた。か性ソーダについては、昨年4~6月で値上げを実施し、その後しばらく一進一退の情勢が続いたが、今年1~3月で改善が見られた。
電子材料事業の売上高は9343億円で同10%増、営業利益は3247億円で同19%増となった。半導体市場は、調整局面からの回復は用途・分野によりまだら模様であった。そのような事情のなか、伸びの強い市場にシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を出荷することに注力した。希土類磁石は、堅調なハードディスクドライブ用の需要に応える一方、車載市場への拡販に努力した。
26年3月期連結業績予想は、現時点で合理的な算定が困難であるため公表していない。