エボニック インダストリーズは3月10日、2024年度の営業利益を大幅に拡大し、発表した。調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は25%増の20・65億ユーロで、19億ユーロから22億ユーロの予測範囲内に収まった。年初来の業績が好調であったことから、夏に調整後EBITDAの見通しを上方修正していた。売上高は152億ユーロでほぼ前年並みとなった。それに伴い収益性も大幅に改善し、調整後EBITDAマージンは前年同期の10・8%から13・6%に上昇した。
2024年度のフリー・キャッシュ・フローは、重点的な取り組みが奏功し8・73億ユーロとなり、すでに良好な水準であった前年度(8・01億ユーロ)を9%上回った。これは主に営業利益の増加と資本支出に関する規律を継続したことによるもの。キャッシュ・コンバージョン・レートは、目標の40%を再び上回る42%に達した。
2024年の最終損益では、2・22億ユーロの純利益を計上した。ROCE(使用資本利益率)は7・1%(2023年は3・4%)に上昇した。2024年の販売数量は4%増加し、世界経済の成長率を上回った。販売価格は、平均2%下落した。
同社は、今年度の業績に前向きな見通しを持っている。第1四半期の調整後EBITDAは前年同期(5・22億ユーロ)を上回ると予想している。通期では、20億ユーロから23億ユーロの範囲の調整後EBITDA、約40%のキャッシュ・コンバージョン・レートを見込んでいる。ROCEはさらに改善する見通しとなる。
キャッシュフローがプラスに推移しているため、今年も安定した配当を維持できる見込み。取締役会および監査役会は、5月28日に開催される年次株主総会で、年間配当を1株当たり1・17ユーロに据え置くことを提案する予定。これは現在、約6%の配当利回りに相当する。