旭化成が独自に開発 有機溶媒の脱水膜システム

2023年12月14日

ゴムタイムス社

 旭化成は12月13日、医薬品原薬等を含む有機溶媒を、非加熱・非加圧で脱水するための独自の脱水膜システムを開発し、さらに同脱水膜システムの医薬品製造プロセスへの適用に向けた検証のため、小野薬品工業との共同評価を開始したと発表した。
 医薬品製造プロセスでは、禁水反応や晶析等を行うために、医薬品原薬やその中間体を含む有機溶媒を脱水し、溶媒中の水分量を管理する必要がある。しかし、従来の脱水技術である減圧蒸留法は加熱を必要とするため、「熱に弱い医薬品中間体等の品質が低下する」「所要時間が長い」「エネルギー消費量が大きい」といった課題があった。
 同社は、ウイルス除去膜や水処理膜等のサプライヤーとして蓄積してきた独自の中空糸膜技術を活かし、このたび、医薬品製造プロセス用途の「有機溶媒の脱水」に適した中空糸膜を用いた脱水膜システムを新たに開発した。
 同脱水膜システムは、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、メタノール等の有機溶媒にも使用可能であり、非加熱・非加圧の状態で、熱に弱い医薬品中間体等の品質低下を抑制して有機溶媒から脱水できる。また、新たに開発した脱水に適した構造を持つ中空糸膜により、医薬品中間体等の膜透過による収率低下の抑制が可能となる。さらに、従来技術である減圧蒸留法に比べて、所要時間の短縮やエネルギー消費量の大幅な低下が可能になる。
 同脱水膜システムは、中空糸型の中空糸型の半透膜を通して、液体が濃度差によって移動する正浸透半透膜を通して、液体が濃度差によって移動する正浸透現象を活用している。正浸透膜モジュールと誘導溶液の開発により、高い選択性で有機溶媒中の水を分離することが可能となる。
 現在、顧客に貸し出し可能なラボ評価用テスト機を小野薬品へ貸し出し、小野薬品において医薬品中間体等を含む溶液を用いた評価を開始いただいている。
 小野薬品との共同評価により、同脱水膜システムの医薬品製造プロセスにおける適用可能性を見出し、医薬品製造プロセスの効率化に寄与する新しい脱水技術の構築を目指していく。
 同社は、非加熱・非加圧で、医薬品中間体等の品質低下やロスを抑えて有機溶媒を脱水できるという同脱水膜システムの特長を活かしたさらなる適用場面を見出し、2027年の販売開始を目指す。

小型脱水膜システムおよび中空糸型水膜

小型脱水膜システムおよび中空糸型水膜

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