日精樹脂、積水化成品ら3社 PLAで成形品で新技術

2023年11月14日

ゴムタイムス社

 日精樹脂工業は積水化成品工業及び、ハイケムと3社で、生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)のインジェクション・ブロー・モールディング(IBM)成形品分野で新技術を共同開発した。積水化成品とハイケムは予てより戦略的基本提携契約に基づき生分解性材料の開発や拡販を相互に協力、推進してきたが、射出成形機製造販売大手の同社との提携により、これまで製造が困難とされていたPLAのIBM技術を開発した。
 積水化成品の樹脂改質技術やリサイクル製品の開発力と、ハイケムの中国における生分解性材料の原料調達力や開拓力に、同社の射出成形機及び金型技術、インジェクション・ブロー成形技術を掛け合わせて協働することで、PLA分野での新たな需要開拓を行っていく。
 現在、気候変動や海洋ゴミ問題などの地球全体の環境課題に対して、企業活動を通じた取り組みが必要とされる中、3社では特に、PLA材料や利用技術の開発・市場展開を行い、新たな価値創造に取り組み、持続可能な社会の実現に向けたソリューション提案を行っている。その実用化事例として、昨年10月ドイツ・デュッセルドルフ市にて開催された、国際プラスチック・ゴム産業展 K2022において、日精樹脂展示ブース内でIBMによるボトル成形を実演した。
 今回実演したIBMとは、ボトル成形に多用されている専用のブロー成形機を使用するのではなく、汎用の射出成形機とIBM専用金型によって1工程でボトル製品の成形が可能な革新的な成形法で、そこに3社共同開発のブローグレードPLA材料を使用した。しかもボトルにはインモールドラベリングによってPLA製ラベルの装着も同時に行い、PLAオール100%の成形実演を実現した。PLAボトルはコンポスト内に廃棄後、水と炭酸ガスに分解される、環境負荷低減が可能な素材として使用することができる。
 3社は、持続可能な社会の実現に向けて、CO2排出量削減と環境に貢献する製品の創出に取り組んでいる。地球環境への課題解決に向けて、サーキュラーエコノミーへの移行は必須であると認識しており、天然資源の使用量をできる限り削減し、既存の資源を有効活用して社会経済活動を循環するという考えのもと、広くソリューションを提案していく。

ポリ乳酸製ボトル

ポリ乳酸製ボトル

日精ブースでの実演の様子

日精ブースでの実演の様子

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