積水化学、アセアン会合で紹介 フィルム型ペロブスカイト太陽電池

2023年09月01日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は8月31日、インドネシア・バリ島にて8月25日に開催された「第5回CEFIA官民フォーラム」(インドネシア政府・エネルギー鉱物資源省主催)にてフィルム型ペロブスカイト太陽電池サンプルの展示とともに、開発の概要を説明したことを発表した。
 「第5回CEFIA官民フォーラム」は、ASEAN Energy Business Forum(AEBF)2023およびJETROジャカルタ事務所主催セミナーと共同で開催され、日本・ASEANの政府、企業、金融機関などの関係者が参加した。日本企業による先端技術の紹介セッションにおいて、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の技術の特異性を説明し、ASEAN各国の政府、企業などに対して大きなアピールの機会になった。また、JETROジャカルタ事務所と日本の経済産業省との共催で「ビジネスマッチングイベント」も併設され、各国の政府関係者、企業との情報交換を行った。
 フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟という特長を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは曲面といった、さまざまな場所に設置が可能な次世代太陽電池で、再生可能エネルギーの普及拡大を加速させ、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献すること、エネルギーの自給自足の観点からは、エネルギー危機への対応にも貢献することが期待されている。
 同社は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」により、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築した。さらに、同製造プロセスによる発電効率15・0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。現在は、実用化に向けて、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上を目指し、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金も活用して開発を加速させている。また、早期の社会実装へ向け、東京都や西日本旅客鉄道、エヌ・ティ・ティ・データ、JERAなど、様々な関係先と連携して開発を進めている。
 同社は、長期ビジョン「Vision2030」において、「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントとして掲げ、イノベーションにより「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、「未来につづく安心」を創造していく」ことを宣言している。
 これからも、持続可能な社会の実現と同社グループの成長の両立を目指して社会課題解決に貢献し、ステークホルダーに信頼される企業であり続けるための取り組みを進めていく。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池

フィルム型ペロブスカイト太陽電池

フィルム型ペロブスカイト太陽電池のサンプル展示

フィルム型ペロブスカイト太陽電池のサンプル展示

開発担当者によるプレゼンテーション

開発担当者によるプレゼンテーション

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