住友化学が愛媛工場で 超微粒αアルミナの量産開始

2023年08月29日

ゴムタイムス社

 住友化学は8月28日、世界に先駆けて超微粒αアルミナの量産技術の開発に成功し、愛媛県新居浜市の愛媛工場に新設した製造設備で、本年9月から量産を開始すると発表した。
 無機材料の技術イノベーションの成果として、ICT・省エネルギーやライフサイエンス領域などにおける新たな市場の創出を、顧客とともに加速していく。
 2025年度には、高純度アルミナ事業の売上高を23年度比3割増にすることを目指す。
 アルミナは水酸化アルミニウムを高温で焼いて作られる物質で、そのうち純度99・99%以上のものを高純度アルミナと呼ぶ。今回量産を開始するのは、主に工業製品に用いられるαアルミナの超微粒グレード「NXAシリーズ」で、粒子径が150nm(0・15μm)以下の均質な超微粒子という特徴を有している。粒度が比較的大きい同社製品と比較すると、およそ200分の1のサイズとなる。
 同社は、高純度アルミナのリーディングカンパニーとして、高品質で安定性が高いだけでなく、顧客要求に対応可能な幅広い製品グレードを有している。そのため、これまでもリチウムイオン二次電池用のセパレータ部材などのエネルギー分野のほか、LED基板向けのサファイア、半導体用放熱材料などの ICT分野を中心に、幅広い用途で活用してきた。
 新グレードは、次世代半導体向けの研磨材用途のほか、超微細な粒子で焼結させやすい特長により、高強度・耐薬品性が必要な半導体製造装置用部材などの先端分野や、高強度・審美性が求められる人工関節や歯科材料といったライフサイエンス分野など、新たな領域での利用が見込まれている。
 同社は引き続き、技術革新と顧客へのタイムリーなソリューション提案を通じて、当該事業の拡大に努めていく。

「エヌエックスエーシリーズ」(エヌエックスエー100)

「エヌエックスエーシリーズ」(エヌエックスエー100)

アルミナを使用した製品群

アルミナを使用した製品群

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