日精樹脂が名古屋で初内覧会 自動車テーマで射出技術披露

2023年08月29日

ゴムタイムス社

 日精樹脂工業(長野県埴科郡坂城町、依田穂積社長)は名古屋国際会議場で8月2~4日にわたり、内覧会「NISSEI RED Exhibition2023 in 東海エリア」を開催した。
 今回で7回目を迎えた内覧会は、2020年から毎年開催している。住友ベークライトとの共同展示会で名古屋での開催は初めてとなる。3日間にわたり、コロナ対策を徹底した上で225社が来場し、盛況のうちに終了した。

 内覧会では毎回テーマを決めており、今回は自動車産業をメインターゲットとし、自動車技術ソリューションフェアとして「Inclusive Growth(包括的成長)」をテーマにした。具体的には、①自動車業界向けソリューション技術、②EV新技術への対応、③高機能材料による高付加価値成形、④成形工場のIoT化やN-Constellationの提案など、各キーワードに沿った機械や射出成形技術、IoTサービスなどを紹介した。

 展示会場では、ハイブリット式中大型射出成形機「FWXシリーズ」のうち、今年5月に受注を開始した「FWX970Ⅲ―200B」と、「FWX760Ⅲ―130BK」、低床タイプ・ハイブリット式竪型射出成形機「TWX300RⅢ36V」、熱硬化性樹脂専用ハイブリット式射出成形機「FNX110Ⅲー18AK」、液状シリコーンゴム専用射出成形機「NEX180Ⅲ―5ELM」などの機械を展示した。そのほか、成形工場のIoT化の提案も行った。

 FWX970Ⅲ―200Bは「常識外のキャビティ内圧で成形可能な『N―SAPLI(同社独自の低圧成形システム)』」をテーマに、「N―SAPLI」を活用し、植物由来のバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO(デュラビオ))」によるテクスチャープレートの2個取り成形を行った。一方、FWX760Ⅲ―130BKでは、「金属代替を推進する熱硬化性樹脂大型成形品のご提案」をテーマに、住友ベークライト製のバイオマス由来フェノールを使用し、eアクスル用のインバーターカバーの実演をした。両機械とも、環境に配慮している点と成形品質の向上をPRした。今回の展示会を機に、販売増を目指していく考えだ。

 TWX300RⅢ36Vは、直圧式型締機構を搭載しつつ、複合型締機構により、低床化を実現した。また金型取付面高を1000ミリに抑え、機械全高も大幅に低床化している。会場では、同機械のテーマは「圧倒的な低床化で新開発ニーズに応える」とし、異なる製品形状を1台で成形できるという特長がわかるように、ウォータータンクの1セット取り(本体と蓋)の実演を行った。また、他社との機械の高さを比較できるようになっていた。将来的には、500トンクラスの竪型射出成形機の計画があるという。

 NEX180Ⅲ―5ELMは「EV化を推進する最新技術」をテーマに、EVシフトへの対応技術として、バッテリーセル間スペーサ(模擬)をLSR材料で実演した。一般的にEPDMが使用されているが、同社は車載バッテリーの次期開発に向けてLSRの採用を提案していた。

 依田社長は初の名古屋での開催について「今までの内覧会は、当社の長野工場や明石工場で行っていたが、初の名古屋地区での開催となった。住友ベークライト様との共同開催で材料をはじめ、成形機、成形品など川上から川下までの一貫した展示会となり、お客さまに最終製品をイメージしやすいことを工夫した。内覧会では毎回テーマを決め、今回は自動車をテーマにした。次回もマーケットを考慮して続けていきたい」と述べている。

依田社長

名古屋で初内覧会

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