三井化学、水平リサイクル実証試験開始 凸版印刷、三井化学東セロと共同で

2023年08月03日

ゴムタイムス社

 三井化学は8月2日、凸版印刷、三井化学東セロ、及び同社の三社で、印刷済OPPフィルムを元の軟包材フィルムに水平リサイクルする共同実証試験を2023年8月より開始したことを発表した。
 三社は、本共同実証試験によって軟包材フィルムの水平リサイクルの技術及びオペレーション基盤を確立し、さらに軟包材業界におけるネットワーク拡大を通じ、軟包材フィルムの水平リサイクルの普及・発展を目指す。
 日本政府が提唱するプラスチック資源循環戦略では、プラスチック資源について、2025年までにリユース・リサイクルが可能な材質構成に置き換えること、また2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすること、プラスチック資源の再生利用を倍増することなどのマイルストーンが策定されている。そこで、2025年を重要な起点として、2030年に向けて、リユース・リサイクルを拡げて行く必要がある。
 同社は2022年5月に、軟包材コンバーターで発生する廃棄フィルムを回収し、インキを除去してペレット化し 、軟包材フィルムに再生する取組みである「RePLAYER -Renewable Plastics Layer System-」の取り組みを開始した。同年12月からは、凸版印刷、三井化学東セロ、同社の三社が、共同で本実証実験の基礎検討を開始。2023年度は、本格的な共同実証試験として、凸版印刷において印刷調整時等に発生するOPPフィルムの廃材を同社が回収・印刷除去・造粒を行い、三井化学東セロが再生OPPフィルム化を実施する。そして、凸版印刷にて印刷適性やラミネート適性、製袋・充填適性など、再生OPPフィルム品質の評価を進める。その際、ラミネートには同社が保有する環境対応接着剤も使用する。三社はこの取り組みを通じて、日本政府のプラスチック資源循環戦略のマイルストーンに沿って、2025年度の社会実装を目指す。

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