シリコーン製品で1000億円投資 信越化学、旺盛な需要拡大に対応

2023年08月03日

ゴムタイムス社

 信越化学工業は機能材料セグメントの主力の一つであるシリコーンポートフォリオで1000億円規模の投資を実施することを明らかにした。同社は高機能シリコーン製品に対する顧客からの強い需要に応えるべく、22年2月に800億円相当の投資計画実施を発表した。ただ、その後も高機能シリコーン製品への需要は拡大し続けている。特にカーボンニュートラルに役立つ環境対応製品への期待は大きく、今後ますます需要拡大が見込まれる。こうした社会と顧客の要請に応えるため、シリコーン製品の用途を拡大し、製品構成の高機能化と環境配慮型シリコーンの拡充に取り組む。
 今回の計画では、国内の主力工場である群馬事業所(群馬県安中市)に加え、直江津工場(新潟県上越市)と武生工場(福井県越前市)、海外はモノマーとポリマーの生産を行うタイに加えてアジア各国、アメリカ、ハンガリーにある既存の工場で投資を実施し、併せて生産工程でのグリーン化も進めカーボンニュートラルへの取り組みを加速する。
 同社はシリコーンにかかわる技術を駆使し、航空機から電気自動車まで、最終製品の小型化と軽量化に貢献している。また、シリコーンの長期安定性を活用し、最終製品の長寿命化にも同社製品は役立っている。さらに、省資源、省エネルギーと省電力に資する製品を開発し、環境負荷の削減に貢献しており、自動車、半導体、通信分野をはじめとした幅広い分野で利用されている。自動車のEV化に必須の放熱シートはその例であり、設置の進む風力発電に組み込まれる部材にも使われている。
 同社のシリコーン製品は、顧客の製造工程に加え最終製品の使用段階での温室効果ガスの削減にも貢献しています。成型後の再加熱処理を必要としない硬ゴム及びLIMSや低温で硬化可能な剥離紙用シリコーンはその代表例となっている。

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