帝人フロンティアが開発 新感覚スパン調機能性素材

2023年06月09日

ゴムタイムス社

 帝人フロンティアは6月8日、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用した原糸の熱収縮性をコントロールする新開発の原糸・糸加工技術を用いることで、PTT繊維の特長を最大限に活かし、高い発色性、光沢、ナチュラルなふくらみ感といった感性の領域を満たす独自のスパン調質感と快適なストレッチ性を兼ね備えた、新感覚のスパン調機能性素材「SOLOTEX LIBERTE(ソロテックス リベルテ)」を開発したことを発表した。
 同社は2024年度秋冬向けから「ソロテックス リベルテ」を、国内、海外のスポーツ・カジュアル向け衣料品用途の重点プロモート素材と位置付け、積極的に拡販を図っていく。
 近年、スポーツウエアをはじめとする衣料品用途全般の素材に対して、快適性を有し、環境配慮型であることに加え、すぐれた質感や風合、外観などへのこだわりも求められている。
 一方、同社は、原料の約40%が植物由来成分で構成するPTT繊維「ソロテックス」を用い、サイド・バイ・サイド型複合繊維によるストレッチ素材や、PTT単成分で構成するPTT繊維特有のソフトで滑らかな風合いや触感、高い発色性を有する素材など、それぞれのポリマーの特長を活かした「ソロテックス」シリーズを幅広く市場に展開するとともに、その特長を最大限に活かした素材開発を継続的に進めてきた。しかしながら、PTTポリマーの熱収縮制御の困難さから、優れたストレッチ性と十分なふくらみ感の両立する「ソロテックス」は実現できていなかった。
 こうした中、このたび、新開発のPTT低収縮化技術と同社が長年培ってきた特殊糸加工技術を組み合わせることで独自のスパン調質感と快適なストレッチ性の両立を可能とした。具体的には、芯糸にPTTポリマーからなるサイド・バイ・サイド型複合繊維を、鞘糸に新開発の特殊低配向、低収縮PTT単成分の原糸を配し、新たな特殊異収縮混繊加工技術を用いてそれらをランダムに混繊した上で、高密度編成技術を用い編立てる。これらの技術を用いることで、高い発色性、光沢、ナチュラル感といった独自のスパン調質感と快適なストレッチ性を兼ね備えた、新感覚のスパン調機能性素材「ソロテックス リベルテ」の開発に成功。原料の一部に植物由来成分を使用しているため環境にも配慮した素材となっている。
 2024年度秋冬向けから、スポーツ・カジュアル衣料向けに幅広く展開を開始し、2026年度には、約50万mの販売を目指していく。

ソロテックス リベルテ

ソロテックス リベルテ

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