積水化学がサミットで展示 フィルム型ペロブスカイト太陽電池

2023年06月08日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は6月6日、5月19日~21日に開催された「G7広島サミット2023」会場にてフィルム型ペロブスカイト太陽電池を展示したことを発表した。
 「G7広島サミット2023」では、日本最先端技術をアピールする展示エリアが設けられた。同社は、サミット会場である広島県立総合体育館「広島グリーンアリーナ」内特設会場(屋内、屋外)にて、展示とデモ実験を行い、屋外での大面積デモ実験は、国内外の報道関係者などに対して大きなアピールの機会となった。
 フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟という特長を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは曲面といった、さまざまな場所に設置が可能な次世代太陽電池であり、再生可能エネルギーの普及拡大を加速させ、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献すること、エネルギーの自給自足の観点からは、エネルギー危機への対応にも貢献することが期待されている。
 同社は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」により、業界に先駆けて屋外耐久性 10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築した。さらに、同製造プロセスによる発電効率15・0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
 現在は、実用化に向けて、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上を目指し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金も活用して開発を加速させている。また、早期の社会実装へ向け、東京都や西日本旅客鉄道株式会社、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、株式会社JERAなど、様々な関係先と連携して開発を進めている。
 同社は、長期ビジョン「Vision 2030」において、「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントとして掲げ、イノベーションにより「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、「未来につづく安心」を創造していく」ことを宣言している。
 これからも、持続可能な社会の実現と同社グループの成長の両立を目指して社会課題解決に貢献し、信頼される企業であり続けるための取り組みを進めていく。

屋外展示の様子

屋外展示の様子

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