【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情74 中国編 加藤進一

2023年05月29日

ゴムタイムス社

 コロナが終わりつつあり、やっと2023年5月に中国に行ってきました。中国に入国するときのPCR検査も不要になり、まだ入国ビザは必要ですが、やっと出張できました。ただ、上海空港国際線は人がまばらで、日本との便も半分も乗客が乗っていません。
 上海、嘉興、無錫、常州と回りましたが、マスクをしている人は半分ぐらいです。中国でもコロナ禍が終わりつつあることを感じます。駐在員によると、ロックダウンの時にいかに大変だったか、工場から出られず工場に寝泊まりした、逆に自宅から在宅勤務をずっと続けたとか、日本に一時帰国できず精神的に参ったこと、一時帰国した後中国に戻り到着時に2週間隔離されホテルの部屋で一歩も廊下に出られずと、皆さん大変苦労された様でした。
 中国のゴム事情も聴いてきました。2023年に入り、ゴム材料の動きが悪いようです。コロナ後で景気が急復活すると期待されていましたが、自動車産業、建設産業とも
振るいません。景気低迷だとも聞きました。低成長ではなく、景気後退です。現場にいると、政府発表とは違って今はやや不況で、それが6月までは続くと皆さん言います。23年以内、ずっとかもしれないとの声も聞かれました。
 国際相場の天然ゴム先物価格が2月以降上がりません。6ヶ月先に引き渡す天然ゴムを買う人が少なくなっています。タイヤ生産も先行きが見通せなくなっているのでしょう。今年は調整の年になりそうです。
 中国にはいろいろと新しいゴム材料の会社が

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