バイオマスPC樹脂生産開始 帝人、国際認証を取得

2023年01月31日

ゴムタイムス社

 帝人は1月30日、同社が国内で生産するポリカーボネート樹脂(PC樹脂)について、持続可能な製品の国際認証のひとつであるISCC PLUS認証を取得したと発表した。PC樹脂に関して同認証を取得することは、国内企業として初めてとなる。

 同社は、石油由来の原料を用いた従来のPC樹脂に加えて、バイオマスナフサを使用したビスフェノールA(バイオマスBPA)を用いて、同認証に基づいたマスバランス方式によるバイオマスPC樹脂の生産と販売を同日以降開始する。

 近年、カーボンニュートラルの実現に向けて、サプライチェーン全体を通じた温室効果ガス(GHG)の排出量削減へのニーズが高まっており、環境負荷低減に貢献する製品の開発・生産が求められている。電気・電子部品や自動車部品などさまざまな用途で使用されるPC樹脂についても、環境負荷の低い新たな製品に期待が寄せられている。

 同社は、愛媛県松山市および広島県三原市の各地区で生産するPC樹脂について、ISCC PLUS認証を取得した。同認証の取得を受けて、同日以降、バイオマスPC樹脂の生産・販売を開始する。

 バイオマスPC樹脂は、使用原料であるバイオマスBPAが従来の石油由来のBPAと同等の物性であることから、石油由来のPC樹脂と同等の物性を有する。そのため、従来品から容易に切り替えることができ、製品のライフサイクル全体におけるGHG
排出量の削減に貢献する。

 同社は今後、環境配慮型のPC樹脂製品に「サーキュラーマテリアルズ(CM)」のブランド名を冠して展開をしていく。今回発表したバイオマスPC樹脂は「パンライトCM」「マルチロンCM」の製品ラインアップのひとつとして展開を開始する。

 同社は、製品のライフサイクル全体におけるGHG排出量削減などの環境負荷低減につながるソリューションの提供を進め、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。

 

「パンライト」ペレット

「パンライト」ペレット

「マルチロン」ペレット

「マルチロン」ペレット

 

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