価格改定や円安効果で増収 TOYO TIRE1~9月期

2022年11月15日

ゴムタイムス社

 TOYO TIREの22年12月期第3四半期売上高は3504億3000万円で前年同期比23・9%増、営業利益は313億9100万円で同20・9%減、経常利益は452億8800万円で同8・4%増、四半期純利益は447億6800万円で同55・1%増となった。
 米国市場で価格改定や円安効果により、第3四半期売上高は単独、累計とも過去最高を更新した。また、利益面は経常利益と純利益は累計で過去最高となった。
 営業利益の増減要因は、販売要因で329億円、為替で89億円の増益要因となったのに対し、製造コストで41億円、販管費で18億円、原材料で220億円、海上運賃高騰影響で190億円、セルビア工場立上コストで23億円、自動車部品事業で8億円の減益要因となり、差し引き82億円の減益となった。
 セグメント別では、タイヤ事業の売上高は3201億1400万円で同26・0%増、営業利益は337億3800万円で同18・0%減となった。北米市場における市販用タイヤは、同社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤなどの重点商品を中心とした販売に注力したことなどにより、販売量は前年同期比を上回った。売上高は値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善もあり、販売量以上に前年度を大きく上回った。
 欧州市場の市販用タイヤは、欧州各国での需要回復や物流状況改善により販売増の効果が見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢に伴うロシアや周辺地域への販売停止の影響を受けて、販売量は前年同期を大きく下回った。一方、売上高は、欧州各国での値上げや商品ミックス改善がロシア及び周辺地域向けへの販売停止の影響を補い、前年度並みとなった。
 国内市場における市販用タイヤは、コロナウイルスに関する行動制限の緩和に伴い需要が回復しつつあることやオープンカントリーなど重点商品を中心とした販売に注力し、販売量は前年度を上回った。売上高も値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善により、前年度を上回った。
 新車用タイヤはコロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足や半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたが、販売量は前年度を上回った。売上高は原材料市況高騰の一部を価格に反映できたため、前年度を大きく上回った。
 自動車部品事業の売上高は302億4900万円で同5・0%増、営業損失は23億4600万円(前年同期は14億9700万円の営業損失)となった。
 コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足や半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、原材料市況高騰の一部を価格に反映できたため、売上高は前年同期を上回った。
 22年12月期通期業績予想については、タイヤ事業における需要動向等を踏まえて前回発表を修正した。それによると、売上高は5000億円(前回発表から据え置き)で前期比27・0%増、営業利益は400億円(前回発表500億円)で同24・6%減、経常利益は530億円(前回発表600億円)で同5・2%減、当期純利益は500億円(前回発表530億円)で同20・9%増を予想している。

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