産業交流展2022が開催 首都圏の中小企業が出展

2022年10月25日

ゴムタイムス社

 東京都をはじめ埼玉県、千葉県、神奈川県の首都圏に事業所を有する中小企業の優れた技術や製品を一堂に展示する展示会「産業交流展2022」が、東京・有明の東京ビッグサイトとオンライン上で10月19日~21日、開催された。25回目となる今回もゴム関連企業がブースを設け、独自製品や新製品の紹介を行った。

 

◆日本システム開発
 原料配合情報の管理システムである「配合設計支援システムMDSS」などを紹介した。同システムは原料・プロセス・工程・評価データなどの配合に関する情報を一元に管理できるソフトウェア。配合に特化していることから、製造現場へのスムーズな導入ができる点や導入コストが安価である点も特徴だ。製品ラインナップとしては同製品以外にも重回帰分析機能を搭載した「MDSSーProfessional」や組成予測機能を搭載した「MDSSーPremium」の用途に応じた3タイプを用意している。
 また、同製品はユーザーからの要望を取り入れたバージョンアップを行っており、「今回の展示会を通して来場者からいただいた意見をもとに、さらなる製品のバージョンアップにつなげていく」(同社)考えだ。

日本システム開発

日本システム開発

◆永進ゴム製作所
 来年で創業から65年を迎える同社は、長年の経験で培ってきたゴム加工技術やノウハウを生かした天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどの各種ゴム素材での加工品やゴムスポンジの加工品、金属との一体成形品を展示した。
 今回の出展では新規顧客獲得以外にも「他社ブースを見学して交流も深めていくことで技術面で互いに協力できる関係を構築していく」(同社)としている。

永進ゴム製作所

永進ゴム製作所

◆コクゴ

 初出展となる同社はグローブボックス用ロンググローブ「KGBーskinny(ケージービースキニー) 8inch」などを出品した。ケージービースキニー8インチはグローブボックス内作業用のロンググローブ。指先部分の厚みが0・3mmであることから素手に近い感触で作業が行える。現在は原子力発電所や製薬研究分野などでの採用が進んでいる。
 國井康裕代表取締役社長は「展示ブースの制作は若手社員が中心となって取り組んだ。若手社員のアイデアを取り入れた今回の出展で他業種の顧客獲得や新市場開拓につなげていきたい」と今回の出展について意気込みを語った。

コクゴ

コクゴ

◆タグチゴム
 長年同社が製造してきた玩具関連のタイヤやペット用ブラシなどを展示して幅広い分野の製品の加工ができることをPRした。また、来場者にはシリコーンゴム製のコースタを配布した。
 今回が初出展となる同社は出展の理由について「昨年から協力メーカーの廃業でゴム部品の調達が困難になった企業からの問い合わせが増えている。弊社には素材メーカーと金型メーカーと協力して継続生産を行える体制が整っていることを伝えていきたい」(田口郁男常務取締役)と語った。

タグチゴム

タグチゴム

◆ナノダックス
 プラスチック成形機用洗浄剤「ecomaru」を出品した。同製品は世界初となるグラスウール製のプラスチック成型機洗浄剤で、従来のガラスファイバー製の洗浄剤よりも高い洗浄能力を有することから射出成形時の黒点不良の発生率の軽減や洗浄時間の短縮、コスト削減につながる。また、素材には冷蔵庫の真空断熱材製造過程で発生する廃棄単剤を60%使用しておりSDGsにも貢献できる。
 同製品はヨーロッパやアジア諸国での導入が進んでおり、今回の展示会を通して日本での販路を拡大していく考えだ。「高い洗浄能力に加えてSDGsへの貢献が行える製品であることをPRしていきたい」(同社)。

ナノダックス

ナノダックス

 

◆港プラスチック工業
 アクリルを主としたプラスチックの加工成形を行う同社は、ワイヤーの張力だけで起立する支柱を必要としないテーブルであるテンセグリティテーブルや化粧品ディスプレイなど、多種多様なアクリル加工成形品を紹介した。
 同社は工場と営業所が一体化していることから顧客と製造現場の距離が近く、顧客の要望を迅速で細やかに対応できる。ワンストップ生産ができる社内一貫生産体制を整えていることも特徴だ。「複雑な成形品も1から作ることができる弊社のアクリル成形技術を知ってもらうきっかけになってほしい」(同社)。

港プラスチック工業

港プラスチック工業

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