ランクセス、新PBT開発 電気・電子アセンブリ用

2022年10月12日

ゴムタイムス社

 ランクセスは10月5日、電気・電子アセンブリ用に新たなポリブチレンテレフタレート(PBT)コンパウンドを開発し、提供を開始したことを発表した。

 ガラス短繊維強化グレードからなる新製品群は、「ポカンE」グレードとして提供される。用途としては、その耐トラッキング性と絶縁性により、特にe―モビリティおよび電気・電子(E/E)工業のアプリケーションに適している。同コンパウンドは、その耐トラッキング性でCTI Aテストにおける最高評価の600を獲得しており、IEC60664―1規格に基づく最高絶縁性クラスの要件を満たしている。

 同コンパウンドには、「ポカンB3215E」「ポカンB3217E」「ポカンB3235E」がある。それぞれ10%、16%、30%重量のガラス短繊維で強化されており、同等の標準的な素材と比較して流動性が大幅に向上している。これにより、射出成形によって、繊細で薄肉な部品の形状を容易に作成することが可能となる。

 加水分解安定性と高い耐トラッキング性を同時に兼ね備えたPBT素材としては、「ポカンB3233HRE」と「ポカンB3216XHRE」の二つが挙げられる。後者は16%重量のガラス短繊維によって強化されており、米国自動車技術会(SAE)の厳格な長期加水分解試験に基づく試験片試験において、最高評価となる「クラス5」を取得している。前者には30%重量のガラス短繊維が含まれており、USCAR加水分解試験において「クラス4」の評価を取得している。高い処理温度でも維持される良好な流動性をもっている。

 「ポカンE」製品群には、難燃性・加水分解安定性を兼ね備え、25%重量のガラス短繊維を含んだPBTコンパウンド「ポカンBFN4231HRE」も含まれている。ハロゲンフリーで難燃性を有するこの構造用材料は、米国の試験機関であるアンダーライターズ・ラボラトリーズ・インクの燃焼性UL94規格の要件を満たしている。その高い耐加水分解性は、SAEの試験片試験において「クラス3」の評価を取得している。

 

従来型との比較

従来型との比較

 

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