食器ブランドARASに採用 三井化学、ミネラル配合複合材

2022年07月21日

ゴムタイムス社

 三井化学は7月20日、同社が開発した、海水から抽出したミネラル成分から生まれた新規複合材「NAGORI」が、石川樹脂工業の食器ブランド「ARAS(エイラス)」に採用されたと発表した。サステナブルコレクションVol・2として、「深皿スクープ海水」と「大皿ウェーブ海水」の2点が、同日よりARAS公式オンラインショップで販売開始される。

 こだわりのある人の普段使い食器ブランドARASは、ブランドでありながら、新しい概念を実現したプロジェクトで「持続可能なモノづくり」を目指している。先進と伝統の技術が融合したテーブルウェアは、著名ホテルやレストランなどにも多く納入されている。サステナブルコレクションVol・1「杉皮」に続き、NAGORIはサステナブルコレクションVol・2「海水」に採用された。NAGORIを配合した「大皿ウェーブ海水」と「深皿スクープ海水」の2種類がラインナップされている。

 NAGORIは、海水から抽出したミネラル成分から生まれた同社の新規複合材料であり、研究者の「プラスチックで食べる食事は味気ない」という一言から開発がスタートした。同社グループのオープン・ラボラトリー活動である、MOLp(モル、―そざいの魅力ラボ―)を通じて開発された素材となっている。同社のコンパウンド技術を活用し、最大75%海水由来のミネラル成分を配合、熱可塑性樹脂と同様の成形が可能で、陶器や天然石のような質感と熱伝導性を併せ持っている。また、海水由来のミネラル成分を高充填することで、抗菌性・抗ウイルス性も有しており、コンパウンド材としてSIAA(抗菌製品技術協議会)マークを取得している。

 MOLpでは、さまざまな素材の中に眠っている機能的価値や感性的な魅力をあらゆる感覚を駆使して再発見し、そのアイデアやヒントをこれからの社会のためにシェアしていく、同社グループのオープン・ラボラトリー活動を行っている。社員有志による「砂場」のようなフラットな組織で、素材を通じた新しいコミュニケーションの可能性を探っている。

 

深皿スクープ 海水

深皿スクープ 海水

大皿ウェーブ 海水

大皿ウェーブ 海水

 

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