市販用増加で増収増益 ブリヂストンの1~3月期

2022年05月12日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンの22年12月期第1四半期連結決算は、売上収益が8910億1100万円で前年同期比22・5%増、調整後営業利益は1010億9500万円で同19・2%増、営業利益は876億3200万円で同5・1%増、四半期利益は654億1600万円で同3・4%増となった。

 半導体不足に伴う自動車の減産を受け新車用タイヤ需要が減少する中、先進国を中心に市販用タイヤ需要が増加し、対前年同期比で増収増益となった。吉松加雄グローバルCFOは、「売上収益、調整後営業利益共に社内計画を上回った」と説明した。
 利益面では原材料高騰・インフレ進行などによるマイナス影響を売値と販売Mixの強化で吸収した。また、同社はロシア工場の生産とロシア向けのタイヤの輸出を停止しており、当四半期に固定資産を中心とした資産評価額として、128億円を減損損失として計上した。
 通期業績予想は、売上収益が3兆6500億円で同12・4%増、調整後営業利益が4250億円で同7・8%増、四半期利益が2800億円を見込んでいる。
 22年第1四半期のタイヤ販売本数については、乗用車用はグローバルで同7%増となり、新車用は7%減、市販用は15%増となった。トラック・バス用も同7%増で、新車用は前年を下回ったが、市販用は前年実績を上回った。建設・鉱山車両用は、超大型が同21%増、大型が同19%増、中小型が同12%増。18インチ以上の乗用車用は12%増だった。

 調整後営業利益の増減要因は、原材料が580億円、加工費が80億円、営業費が230億円、南米通貨が70億円が減益要因となったが、売値が560億円、数量が250億円、MIXが70億円、為替が110億円などが増益要因となり、合計163億円の増益となった。
 事業譲渡が決定している防振ゴム事業、化成品ソリューション事業を除いた化工品・多角化事業の売上収益は662億円、調整後営業利益は35億円となった。化工品・多角化事業のうち、化工品事業は売上収益333億円、調整後営業利益は6億円、米州多角化事業は売上収益103億円、調整後営業利益6億円となった。
 地域別では、日本は、売上収益が2377億円で同21%増、調整後営業利益は316億円で同50%増。米州は、売上収益が3905億円で同26%増、調整後営業利益は434億円で同13%増。欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカは、売上収益が2059億円で同26%増、調整後営業利益は199億円で同144%増。中国・アジア・大洋州は、売上収益が1043億円で同14%増、調整後営業利益は103億円で同21%減となった。

 

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