令和３年５月25日に89歳で永眠した弘進ゴム取締役会長の西井弘氏のお別れ会が４月11日、ホテルメトロポリタン仙台（宮城県仙台市青葉区）で開かれた。親交のあったゴム業界関係者や同社代理店、同社ＯＢら１０００人超える人が参列し、遺影に献花をして故人との別れを惜しんだ。
西井弘氏お別れの会
西井弘氏は１９３３年10月弘進ゴム創業者の西井康祐氏の長男として生まれた。１９５６年４月三馬弘進護謨工業（後の弘進ゴム）に入社し、社名を弘進ゴムと変更した１９５８年（昭和33年）に25歳の若さで２代目社長に就任。社内・社外を問わず周囲は先輩だけという環境の中、西井弘氏は不明点があれば自ら教えを請い必要な知識を習得、吸収し、己を磨いた。ゴム長靴の製造が主だった同社が事業を拡大し、業績も飛躍的に伸びたのは西井弘氏の手腕によるところが大きい。国内外に工場を新設し、海外の機器メーカーと技術提携を行うことで、生産環境を整え新商品開発、製造に着手に邁進した。
２００３年（平成15年）には西井英正社長と社長交代を行い、取締役会長に就任。社業と並行し地域や業界団体の役を務め、日本のゴム産業界と東北経済の発展に貢献。こうした功績が認められ、平成17年春の叙勲において旭日小綬章を受賞した。
旭日小綬章・藍綬褒章
会場では、西井弘氏の功績を映像で紹介するとともに、弘進ゴムとともに歩んだ西井弘氏の在りし日の姿を写真パネルで紹介したほか、１９８９年に受賞した藍綬褒章、旭日小綬章なども展示した。参列者は写真パネルを見ながら、自慢話をしない紳士で国籍を問わず多くの人々に愛されていた西井弘氏の人柄や思い出話に花を咲かせていた。
新型コロナウィルス対策として、会場では弔辞やあいさつの読み上げは行わなかったが、西井英正社長は「かつて当社の商品についていたキャッチコピーといえば『２倍高くて３倍長持ち』。品質と耐久性の良さでお客様から選ばれ、長く愛用していただける商品が昨今の環境に配慮したＳＤＧｓの考えにも即しています。私共と皆様とのご縁をつないでくれた会長の志に報いるためにも、社員一丸となって日々精進し、更なる社会貢献に努めてまいります」と参列者への礼状でつづった。
西井弘氏の功績をスクリーンで紹介
