信越化学 硬化特性など改善 一液型液状シリコーンゴム開発

2022年03月31日

ゴムタイムス社

 信越化学工業は3月30日、新規硬化タイプの一液型液状シリコーンゴム「KCPシリーズ」の新製品を開発したと発表した。一液型液状シリコーンゴムは、空気中の水分と反応して室温で硬化する。硬化後は、耐熱性、耐寒性、電気特性、耐候性など優れた特性を兼ね備えていることから、電気自動車(EV)部品や半導体、電気・電子部品などの接着・シール材、コーティング材として使用されている。また、室温で硬化するため、加熱炉や紫外線(UV)照射設備が不要で、環境負荷の低減に貢献する。
 新製品の「KCPシリーズ」は、硬化反応時にシクロペンタノンを放出するタイプとなっており、現行品の硬化特性や安全性、取り扱い性などを改善した、顧客の期待に応える製品となっている。

 KCPシリーズの主な特長は①硬化速度が速く、また接着効果が速く現れるので、作業効率が向上する(KCP-102の指触乾燥時間は、従来品KE-4898-Wの2分の1の3分)。
 ②硬化時に発生する臭いが少なく、また安全性に優れている。③引火点が70℃以上と高いため、輸送や貯蔵時の取り扱いの手間を減らすことができる。④各種樹脂との接着性が良好で、金属の腐食性もほとんどない。
 なお、新製品の「KCPシリーズ」は、粘度別にKCP-100(低粘度)、KCP-101(中粘度)、KCP-102(ペースト状)の3製品を取りそろえている。いずれもチューブの容器から押し出すだけで簡単に作業をすることができる。同社では「今後も顧客の要望に対応して、各種機能を付与した製品を開発し、製品の品ぞろえを拡充していく」としている。
 同社はこれまで培ってきた技術力とノウハウを生かして高機能のシリコーン製品を開発し供給することで顧客のさまざまな課題解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献していく。

電気・電子部品の接着・シール

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