ランクセス、EPD発行 合成酸化鉄顔料メーカーで初

2022年03月15日

ゴムタイムス社

 ランクセスは3月11日、合成酸化鉄顔料メーカーとして初めて特定の製品群に対し認証された環境製品宣言(EPD)を発行することを発表した。

 同社はEPDにより、製造する顔料の「原料調達から出荷まで」における環境影響に関する包括的な情報を提供できるようになる。これらの情報は、国際規格のISO14025および様々な建築製品・サービスを対象とする欧州のEN15804規格に準拠している。

 同社の無機顔料(IPG)ビジネスユニットの責任者であるマイケル・アートゥル氏は、「EPDの発行は、顔料業界で最も高い持続可能性の基準を設定するというランクセスのコミットメントの証といえる。さらに、信頼性の高いランクセスの『バイフェロックス』ブランドの酸化鉄顔料は、世界中の建築業界において、コンクリート建材や塗料、プラスチックの着色に使用されている」と述べている。

 今回対象となるEPDは、環境影響の観点から、建築用の資材、製品、構成材について記述したもので、その内容は、対象品目のライフサイクルアセスメントおよび機能・技術特性に基づいている。同社の「バイフェロックス」顔料のEPDは、ドイツの建築環境研究所(IBU)により、国際規格に準拠して認証されている。IBUは、国際的なDIN規格に準拠した建築製品の環境影響について、信頼性の高い包括的な評価を実施することを目的とするプログラムで、第三者の専門家による認証も行われている。また、IBUは、プログラム運営者間の相互認証に関する多くの協定を持つ欧州ECOプラットフォームへの加盟により、世界的に高い評価を受けている。

 持続可能な建築は、経済的で環境にやさしい未来を目指す際の不可欠な要素となる。その結果、EPDは建築業界においてますます利用されるようになり、建築物が持続可能性の認証を取得するための重要な前提条件の一つになっている。また、建築資材のEPDは、建築物の認証取得の際に有利に働く可能性もある。

 

合成酸化鉄顔料にEPD発行

合成酸化鉄顔料にEPD発行

 

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