市販用EVタイヤを発売 住友ゴム、中国で4月から

2022年02月15日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は2月9日、同社史上最高レベルの低燃費(電費)性能を誇る同社初の市販用EVタイヤ、ダンロップ「e.スポーツマックス」を、EV化が急速に進む中国市場で4月から発売すると発表した。また、同様にEV市場が拡大する欧州でも、市販用EVタイヤとしてファルケン「e.ジークス」を2023年から発売する予定としている。

 EVタイヤを開発するにあたり、同社は低燃費(電費)性能と静粛性能の追求に最も力を入れた。EVが一回の充電で走れる航続距離を伸ばすためには、転がり抵抗を低減し電費を抑えることが求められる。同社が持つ材料開発技術を活かしゴムの配合を工夫することで、同社史上最高レベルの低燃費(電費)性能を実現し、さらにウエット性能と操縦安定性能を高次元で両立させている。

 また、EVはエンジン音がしないため路面やタイヤからのノイズを感じやすいと言われているが、同社独自の「サイレントコア(特殊吸音スポンジ)」を搭載することで優れた静粛性を実現している。さらに、タイヤ自体を軽量化することによって省資源化を図り、環境負荷の低減に貢献する。

 性能面に加え、サイドウォールのロゴには同社独自の黒色デザイン技術「ナノブラック」を採用し、デザイン性も追求した。ユーザーのさまざまなニーズに対応しつつ、同社史上最高レベルの低燃費性能を誇るEVタイヤとなっている。

 EV市場は世界的な環境意識の高まりと共に近年急激に拡大している。その中でも、中国政府および欧州委員会はEVの導入比率やCO2削減量に対して高い目標を掲げており、世界有数のEVマーケットとなっている。このような市場環境を踏まえ、同社は初の市販用EVタイヤを中国市場で先行投入することを決定した。2023年からは欧州での発売も予定しており、今後も順次発売地域を拡大していく。

 同社は2021年8月にサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」を発表し、これまでも環境問題の解決に取り組んできた。今回の「e.スポーツマックス」の発売はこの長期方針に沿った製品であり、同社はEVの電費改善および同社で使用する資源の削減を通じて、カーボンニュートラルの達成を目指すとしている。

 

e.スポーツマックス

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e.スポーツマックス ロゴ

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