取材メモ 車輪脱落事故への取り組み

2022年02月08日

ゴムタイムス社

 1月28日にオンラインで開催された住友ゴム工業の第11回DTS全国TB作業コンテストの報告会で、同社の田村正広タイヤ国内リプレイス営業本部技術サービス部長は、最近話題ととなっている車輪脱落事故の発生状況について触れていた。

 2020年の大型車の脱輪事故発生件数は131件と、過去最高の件数となっている。また、年初に人身事故にまで至る脱輪事故が続けて発生しているため、同社はこれらの事故に対して喫緊の課題として取り組みを進めているという。

 車輪脱落事故の発生要因は、大きく二つに分類されると考えている。ひとつ目が、作業時の不備。田村技術サービス部長は「当社の作業にも関わる問題であり、事故防止への取り組みとして、独自の作業標準も含め、作業標準を定めて脱輪防止に取り組んでいる」と述べた。

 2つ目は、保守管理の不備を挙げる。日常点検の未実施など車両使用者などが行うべき管理が徹底されてないことによるものだ。これに対して「当社は保守管理不備への取り組みの強化が課題と捉えており、タイヤ業界としても、これらのしっかりと啓発するということが必要」(同)としている。

 車輪脱落事故については、国交省でも昨年10月に、緊急対策として、交換作業後での保守管理の周知徹底を通達した。
 同社の取り組みとして、タイヤの劣化や摩耗ではハブやホイール点検をはじめ、ハブやホイール清掃、締付力の管理などの取り組みを行っている。具体的には、ユーザーへのタイヤ交換後の増し締めや日常点検の啓発、インジケーターに対する適切な対応、作業後のナット緩みの点検などを行っている。これらの取り組みを行うことにより、交換作業後における保守管理の周知を徹底していく方針だ。

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