トレーサビリティ構築へ 東レ、ブロックチェーン活用

2022年01月25日

ゴムタイムス社

 東レは1月24日、ブロックチェーン技術と活用ノウハウを有するソラミツ㈱と協働し、ブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステム構築のための実証実験を2022年度中に開始すると発表した。

 同社は、「東レグループサステナビリティ・ビジョン」で2050年に目指す世界像の一つとして掲げる「資源が持続可能な形で管理される世界」の実現に向け、同社のリサイクルやバイオマスなどの循環型社会に資する技術や製品のサプライチェーンに、ソラミツのブロックチェーン技術を融合することで、製品の回収・再利用などによる素材の循環を可視化・透明化し、サプライチェーンを構成する全てのステークホルダーと共に循環型社会のさらなる進展への貢献を目指す。

 同社は2019年に、回収ペットボトルを原料として再利用するリサイクルポリエステル繊維事業のブランド「&+」(アンドプラス)を立ち上げ、リサイクル資源のトレーサビリティに取り組んできた。同実証実験は「&+」を題材とし、これらの取り組みをいつでも・誰にでも証明できるよう進化させるために、サプライチェーン上の企業と連携しながら基本システム構築に向けた課題整理を進める。

 また、消費者のリサイクル活動への参画を促すため、回収された原材料が再び製品になり消費者に届くまで循環するサプライチェーン情報の見える化やその見せ方、同社製品の顧客が同システムを自社のトレーサビリティ管理に必要な情報として使いやすくするための仕組みについても検証を行う。

 同社は今回の実証実験結果を元に課題整理を行い、基本システムを構築するとともに、適応範囲の拡大の可能性について検証を進め、将来は樹脂やフィルムなど、全ての主要ポリマーを対象に同システムの適用を図る。これにより、ブロックチェーンを活用したサプライチェーンを確立し、製造から最終製品の流通、回収、再利用までの完全な循環トレーサビリティを提供する。

 同社は、消費者を含むステークホルダーが、資源が持続可能な形で管理されていることを確認し、循環型社会に参加できるようにすることで、資源の持続性・循環が当たり前になる社会の実現を目指すとしている。

 

ブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステム

ブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステム

 

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