年頭あいさつ 塩ビ工業・環境協会 斉藤恭彦会長

2022年01月11日

ゴムタイムス社

 皆様、明けましておめでとうございます。塩ビ工業・環境協会を代表して新年のご挨拶を申し上げます。
 2021年も新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るった一方で、ワクチン接種の加速や各種の対策が奏功し、経済には顕著な回復傾向が見られるなど、徐々にwithコロナの生活に馴染んできたように感じます。国内では、様々な困難を乗り越えて東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日本選手の活躍に勇気づけられた一年でもありました。GDPは2020年のマイナス4%台から緩やかに回復し、2021年のGDPは3%程度と見込まれています。私ども塩ビ業界は、2021年前半こそやや低調であったものの、米国、インド等の急激な需要回復に伴い後半は生産・出荷共に順調に回復しました。
 当協会は、塩ビ製品に対する正しい理解を広め、製品の普及を促進するための活動に引き続き注力しております。コロナ禍で広報活動が様々な制約を受けるなか、新しい時代の広報活動として、オンライン展示会への出展や動画コンテンツの公開といった取り組みを強化しております。引き続き、関連団体とも協同してより訴求力のあるコンテンツ提供に努めます。
 また2021年は、「生活を豊かにするPVC製品」をテーマに、前回と同様、上市後5年未満あるいは近々上市予定の製品を対象としたPVC AWARD 2021を開催、幅広い分野の製品にご応募いただきました。受賞作品は当協会のホームページでご紹介いたしますほか、2022年1月21日~1月30日の間、東京日比谷のGOOD DESIGN Marunouchiで展示会を開催いたしますので、ぜひ足をお運びください。
 一方、世界的なカーボンニュートラルへの流れもあり、わが国でも2050年にカーボンニュートラル達成という目標が打ち出されました。塩ビ製の樹脂窓はその優れた断熱性能で、特に冬季の省エネルギー効果が期待され、関係各所の協力を得つつその効果が実証されつつあります。今後、カーボンニュートラルへの貢献にも塩ビ製品が一役買っていることを積極的にアピールして参ります。
 他方、海洋プラスチックごみ問題等、プラスチックに対するネガティブイメージを払拭するためにも、リサイクル活動の重要性は益々高まっております。当協会では、先行する欧州の例を参考に樹脂窓のリサイクル活動を進めており、2021年は行政や現地の専門業者様の協力も得ながら、北海道内で回収~解体~再生をシステム化する検討を進めました。引き続き各々の工程が抱える課題を着実に解決して参ります。また、塩ビ樹脂製品の優れたマテリアルリサイクル性をより一層アピールするには、リサイクル率をさらに高める努力も必要であると感じており、関連団体や他協会の皆さまと共に検討を進めて参る所存です。
 様々な場面でカーボンニュートラルやリサイクル等、逆風とも言える課題が厳しく突き付けられている状況は塩ビ業界も例外ではありません。一方で、塩ビ樹脂はLCAやマテリアルリサイクル性など、他の樹脂と比較しても有利な点が多い素材であり、このことをより多くの方々に知っていただくことが当協会の役割です。本年も塩ビ製品の普及促進に資する活動を鋭意進めて参る所存ですので、引続き関係各位のご協力をお願い申し上げます。
 オミクロン株による新型コロナ感染症の蔓延が懸念される状況下ではありますが、2022年が皆さまにとって素晴らしい一年となることを祈念致しまして、年頭の挨拶とさせて頂きます。

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