年頭所感 日本プラスチック工業連盟 岩田圭一会長

2022年01月06日

ゴムタイムス社

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 2020年より世界中に広がった新型コロナウイルスの感染は2021年さらに拡大し、各国でワクチン接種が進むものの未だ予断を許さない状況です。経済活動の混乱は収まりつつありますが、まだ以前の状態に戻ったとは言えず、また急速なデジタル化の進展やテレワークの定着等もあって「ニューノーマル」な生活、働き方が浸透してきています。

 プラスチックの世界に目を向けますと、2021年は幾つかの国/地域でワンウェイプラスチックの使用制限や生産禁止の法制化もしくはその検討があり、またプラスチックの3Rについても一定の進展がありました。アメリカではバイデン政権誕生後、トランプ前政権とは異なり矢継ぎ早に環境保全を重視した幾つもの大統領令を発動しています。特に、地球温暖化の防止につながる動きは、今後世界に影響を与えると思われます。

 日本では『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律』が2021年6月4日に制定され、年末にかけて付随する政省令の制定作業が続いています。この法律は、消費者、事業者、行政がそれぞれの立場と責任でプラスチックの3R+Renewableを進めることを促す法律で、単なる規制法ではなく皆の検討や努力を促すことに力を入れている点が特徴です。当連盟が2019年に独自に策定したプラスチック資源循環戦略は、結果的にこの法律に即する形となっており、既に4つのワーキンググループを立ち上げてさまざまな検討を行ってきました。既に着手済みの検討も含め、2022年はその成果の一部を具現化するとともに、プラスチックに関わる資源循環を進めるべく、今後も惜しみない努力を払ってまいります。

 当連盟の業務の柱の一つであるプラスチックの国際標準化については、2021年もコロナウイルスにともなう活動面での制約はあったものの、積極的に日本からの規格開発推進に努めました。今後もリサイクルに関する規格開発を日本主導で推進していく観点から、具体的な規格の提案を予定しています。また、ISOにおける対面での会議が開催できる場合は、「流体輸送用プラスチック管、継手およびバルブ」(TC138、開催地UAE)、「プラスチックの機械的性質、物理・化学的性質等」(TC61、同スウェーデン)の国際会議に委員を派遣し、日本企業の新規市場展開を支援すべく活動してまいります。

 当連盟は、2020年5月の総会で新たな執行体制となり、2021年5月の総会では新たな4ヵ年計画を策定しました。その中では最重点実施項目として①プラスチック資源循環戦略の強力な遂行、社会実装化、②プラスチックのイメージアップ、③規格における日本からの主体的・積極的な主張発信、の3つをあげております。この内②については、社会全体でプラスチックに関わる検討、議論が進む中で、一部の方には正しく情報を認識してもらえず、情報不足による誤解が生まれているケースが散見されます。結果としてそれらがプラスチックのイメージダウンに繋がっていることは、プラスチック業界に携わる者として極めて残念であり、今後イメージの回復に努めていきたいと考えております。当連盟としては、参考となる情報を一般消費者の方々に対して積極的に提供し、当連盟のモットーである「正しく理解していただき、賢く使っていただく」の理念のもと、実効性のあるプラスチック資源循環戦略の推進に貢献していきたいと考えています。

 皆様のますますのご繁栄とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

 

岩田圭一会長

岩田圭一会長

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