光学フィルムライン増設 日本ゼオン23年10月量産開始 

2021年11月01日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは10月28日、福井県敦賀市の光学フィルム工場で大型TV向け位相差フィルムの製造ライン2系列目の増設を決定したと発表した。新ラインは2023年10月の量産開始を予定しており、操業人員の新規雇用を計画している。
 同社は光学フィルム(ZeonorFilm、ゼオノアフィルム)をグループ企業で製造子会社のオプテスが有する北陸工場の3拠点(高岡製造所、氷見製造所(富山県))と敦賀製造所(福井県)で製造している。
 ゼオノアフィルムは、同社が独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を原料に用い、世界初となる溶融押出法により生産された光学フィルム。シクロオレフィンポリマーは、その特長である高い光学特性と優れた寸法安定性を有しており、大型TVやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止等の機能を持たせる、位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。
 今回の投資に関しては、液晶パネルの大型化に対応し、2020年4月より稼働した世界最大幅(2500mm幅クラス)の位相差フィルム製造ラインの2系列目となる。なお、新ラインの生産能力は1系列目と同じく年間5000万㎡の計画で、2系列合計で1億㎡、既設の能力と併せてTV向け位相差フィルムの生産能力はトータルで2億1900万㎡となる。
 液晶用ガラス10・5 世代のサイズに対応した液晶パネル設備が世界中で順次稼働するなか、同サイズにマッチしたパネルの取り効率が良い 2500㎜幅の生産ライン増強は環境負荷低減にも大きく貢献することが期待される。

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