伊藤忠商事、伊企業と提携 ナイロン循環リサイクルを推進

2021年02月18日

ゴムタイムス社

 伊藤忠商事は2月12日、世界最大のリサイクルナイロンブランド「エコニール」を展開するAquafil社とナイロン循環リサイクルに関するビジネスの推進、拡大に向けて業務提携を締結したと発表した。同社は同提携を契機に、ナイロン廃棄物の回収からリサイクルナイロンを原料とした最終製品の開発、販売まで本格的に取り組んでいく。

 Aquafil社は、独自の技術でナイロン廃棄物をケミカルリサイクルによって粗原料であるカプロラクタム(以下「CPL」)まで戻し、不純物等を完全に除去しバージン材と同等品質で再利用できる循環リサイクルシステムを構築し、2011年よりスロベニアにて漁網やカーペットなどの廃棄物を原料としてリサイクルナイロン「エコニール」の生産を開始した。

 エコニールは100%廃棄物からのリサイクルのため、石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減が可能となる。環境配慮型素材としてファッション業界やカーペット業界等を中心に、全世界2000社以上の著名なブランドで採用されてきた。特にファッション業界においてはグッチやバーバリー、プラダ等の大手ファッションブランドから大きな支持を受け注目を集めている。

 伊藤忠商事はナイロン原料であるCPL及びナイロンチップについて、数量ベースで世界最大規模の取り扱いをしており、伊藤忠商事の持つナイロンバリューチェーンの活用とAquafil社のエコニール事業の方向性が合致し本提携を締結するに至った。今後は伊藤忠グループの持つ多様なネットワークを活かして、グローバルにファッションやカーペット、自動車用部材、包材等の用途向けに拡販していく。さらに既存の販売チェーンからの廃棄用ナイロンの回収スキームを構築する予定で、Aquafil社への原料安定供給の観点からも協業をすすめていく。廃棄物の回収から最終製品の販売までをAquafil社と共同で取り組むことにより、付加価値の高いナイロン循環リサイクルの拡大を目指すとしている。

 

エコニール循環リサイクルイメージ

エコニール循環リサイクルイメージ

 

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