2020年ゴム業界の10大ニュース 新型コロナで甚大な影響  企業業績が総じて悪化

2020年12月14日

ゴムタイムス社

 2020年のゴム業界をめぐる事業環境は、新型コロナウイルスの感染拡大と世界各国の感染対策の強化を受け、ゴム関連企業の工場の操業停止などグローバルで大きな影響が広がった。産業の裾の広い自動車の苦戦がゴム業界に連鎖し、ゴム企業の業績も大幅に悪化した。新型コロナをめぐる状況は極めて流動的かつ不透明で、過去に例のない事態に各企業が対応に追われた1年となった。

①新型コロナで操業停止広がる
 新型コロナウイルスの感染拡大と世界各国の感染対策の強化を受け、ゴム関連企業の工場の操業停止が拡大した。 住友ゴム工業は、タイヤを製造する国内の全工場で操業を一時停止した。TOYO TIREは、輸出比率の高い仙台工場の稼働一時休止した。

②主要ゴム企業が全社減収に
 主要上場ゴム関連企業の21年3月期第2四半期連結決算は全社で減収となった。21社合計の売上高は1兆3728億1800万円で前年同一企業との比較(以下同)では21・4%減となった。21社のうち増収企業は0社。

③ゴム製品・原料で年間通じて値上げ 
 20年も昨年に引き続き、ゴム・樹脂関連で値上げの動きが相次いだ。上半期ではゴム関連では、伝動ベルトやコンベヤベルトなどベルト製品で価格改定が実施されたほか、旭カーボン、東海カーボンがカーボンブラックの価格改定を行った。樹脂関連では、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリスチレンなど合成樹脂で値上げが行われた。

④世界の合成ゴム生産が5年ぶり減少
 国際ゴム研究会(IRSG)のまとめによると、2019年の世界の合成ゴム生産量は1513万3000tで同0・9%減となり、5年ぶりに前年を下回った。
 天然ゴムの総生産量も、1364万1000tで前年比1・8%減となり、前年の2・5%増から減少に転じた。

⑤ゴム企業が感染症対策に貢献
 新型コロナウイルス感染症対策で注目を集める製品や新技術が、ゴム・

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