新素材研究開発でDX推進 帝人が日立製作所と協創開始

2020年07月22日

ゴムタイムス社

 帝人は7月20日、新素材の研究開発におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて、日立製作所との協創を開始すると発表した。

 同社は中期経営計画で、イノベーション創出基盤の強化による事業機会創出の加速を掲げている。デジタル技術の活用はその重要施策であり、新素材の研究開発においてもデジタル技術を駆使して多様性、生産性、創造性を高め、研究開発力の強化を図っている。

 日立製作所との協創では、①「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の活用を加速し、研究開発の高速化、高度化、さらに新たな発想へと結び付ける」、②「社内外の技術情報や特許情報を単語抽出AIで統合データベースに自動蓄積し、社内で共用することで、研究開発をより進展させる情報基盤を強化する」、③「R&Dポータルサイトを構築し、統合データベースに蓄積された情報や各部署の技術を見える化して、人や組織の連携を活性化することで開発スピードの向上を図る」の3項目の実現を目指す。

 同社は、固有の研究開発プロセスにまで踏み込み、進化し続けるデジタル技術を幅広く活用する仕組みを構築するため、ICT分野で先進の技術群を有する日立製作所との協創を開始することとした。この取り組みによって研究開発のDX化を進め、データの可視化と予測に基づく新しい研究開発スタイルへの転換を図り、新たな知見の獲得や新素材の迅速な探索を可能とするなど、新素材や複合化素材の開発において、さらなる多様化、効率化、高度化を目指す。

 同社グループは、多彩な高機能素材技術を活用し、社会と顧客のニーズに応え、新たな製品を送り出してきた。同社は今後も、先進的なデジタル技術とさまざまなデータを駆使することにより、新素材の開発を加速し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」の実現に向けて、社会に価値ある新たなソリューションを提供し続けていくとしている。

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